教員が使う言葉
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今月は教室で使う会話を習います。特に助詞の使い方にも注目してみてください。意外と間違えやすいですよ。
큰소리로 따라 읽으세요.
(大きな声で、続けて読んでください)
助詞の「-로/으로」は、①方向を表す時だけでなく、②方法、手段、原因を表すとき、③資格を表すときに使います。ここでは②の意味で使っています。
例:①집으로 가요.(家へ行きます)/②눈으로 만들었어요.(雪で作りました)/③간호사로 일해요.(看護師として働きます)
질문이 있으세요?
(質問はありますか)
このような場合、助詞は「-은/는」ではなく「-이/가」を使うのが自然です。また存在詞の「있다(いる、ある)」は人に対しても物に対しても使えますが、尊敬表現の場合は人は「계시다」、物は「있으시다」に区別されるので気をつけましょう。
오늘은 여기까지.
(今日はここまで)
授業を終えるときの表現として、「마치다(終わる、終える)」もよく使います。「마치겠습니다.(終わります)」のほか、似たような意味で「끝나다(終わる)」、「끝내다(終える)」という表現もありますが、「마치다」は全部終わってこれ以上やることがない時に使うのに対し、「끝내다」は途中でやめる時も使うことが可能で、より広い意味で使うことができます。
コラム●“하지 않스니까!” ?
何か無理な要望を受けた人が「やらないから!」と断るときに、“하지 않스니까!”と答えるのを聞いたことがあるかも知れません。おそらく「하지 않습니다.(やりません)」と「하지 않으니까(やらないから)」が合体したものでしょうが、こんな言葉は本来ありません。また「하지 않으니까」自体もあまり使いません。より一般的には、そのまま「안해요.(しません)」や「됐어.(いいから)」といった言葉を使います。
筆者:金泰植
きむ・てしく●1980年生まれ。茨城朝鮮初中高級学校、朝鮮大学校外国語学部卒業。九州大学博士課程修了(比較社会文化)。現在、早稲田大学で客員次席研究員をしながら津田塾大学、聖心女子大学などで朝鮮語を教える。NHK出版の『ハングル練習帳』に連載や、K Village Tokyoのテキストなどを執筆。