会計時の一言
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今月は会計の時に使う朝鮮語の表現を習います。年長者が奢るなど、あまり割り勘をしないのが朝鮮半島の文化ですが、最近は割り勘も増えているようです。
오늘은 제가 사겠습니다.
(今日は私が奢ります)
奢るという表現は他にも「한턱 내다」や、スラングの「쏘다」なども使われます。奢ってもらった場合は感謝をした上で、「이차는 제가 낼게요. (二次会/次の店は私が出しますね)」と返すのも良いでしょう。
따로따로 계산해주세요.
(別々に計算してください)
他にも割り勘の表現として「각자내기」や「더치 페이(Dutch pay)」といった言葉があります。最近は日本語の「分配」から来た「뿜빠이」もよく使われています。
결제는 어떻게 하시겠어요?
(お支払いはどうなさいますか)
支払いの方法を聞く表現で、現金かカードかをより丁寧に聞くのなら、「현금으로 지불하시겠어요, 아니면 신용카드로 지불하시겠어요?(現金でお支払いされますか? もしくはカードでお支払いされますか)」となります。電子マネーの普及など決済手段が多様化しているので、今後使用頻度が高まりそうな表現でもあります。
コラム●変化する食事文化
割り勘文化が増えていると言いましたが、いわゆる「お一人様」も増えています。そのような中、南で登場した言葉が「혼밥(혼자서 밥을 먹기=一人ご飯)」「혼술(혼자서 술을 마시기=一人飲み)」です。一人暮らし世帯の増加とも関係ありますが、それ以上に人間関係に疲れた人々が気を遣わずにご飯を食べたいことが背景にあると言われています。また、ご飯を一人で食べる姿をネットに配信する「먹방(먹는 방송=食べる放送)」も人気です。投げ銭システムや広告収入は侮れず、中には먹방で毎月億単位(円換算)稼ぐ人もいると言われています。
筆者:金泰植
きむ・てしく●1980年生まれ。茨城朝鮮初中高級学校、朝鮮大学校外国語学部卒業。九州大学博士課程修了(比較社会文化)。現在、早稲田大学で客員次席研究員をしながら津田塾大学、聖心女子大学などで朝鮮語を教える。NHK出版の『ハングル練習帳』に連載や、K Village Tokyoのテキストなどを執筆。