珍しい鯉の刺身、個性光る一品も/酒食 青松(福岡県福岡市)
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「楽しみにしていて下さい。見たら『おっ』となると思いますよ」
店主の沈久栄さん(37)の言葉に期待が高まる。まずは前菜の盛り合わせから。和風な器の上には冷製スープやフランスパン、カプレーゼといった意外な組み合わせが。しかし、見た目も味も調和がとれており、一口ごとに驚きがある。
続いて大きなうなぎ。ここ「酒食 青松」には、活きのいい魚が毎日直送されてくる。その日ごとに、仕入れた魚を煮たり焼いたり。時に客のリクエストも聞きながら調理している。
他にも、カルボナーラやピザなど、メニューにない料理でも要望に沿って提供。イタリアン、魚料理、肉料理、朝鮮料理と、長年さまざまな飲食店で修業した経験が生きている。オーダーメイドな対応が受け、「お客さんたちはみんな『青松は俺の店なんだ』と言ってくれます」(沈さん)。
35歳、「機は熟した」と独立のため一念発起。九州最大の歓楽街・中洲に店を構えた。2019年末にプレオープン、翌年1月に本開店を果たしたが、「約1年半ずっとコロナと一緒でした」と苦笑い。しかし「同胞たちがたくさん助けてくれました」と感謝を口にする。
ここで当店一番の目玉、鯉のあらい(刺身)が登場。透き通ったピンクの身が美しい。特製チョジャンや酢味噌、刻んだ青唐辛子をお好みでつけて食べる。あっさりとしてクセがなく、舌触りは独特な初めての味だった。どんどん箸がのび、大皿があっという間になくなった。
沈さん曰く、鯉は地元の佐賀県ではよく食べるものだそうで、他でもない沈さんの祖父の代から鯉料理店を営んできたそうだ。屋号も同じ青松にした。一族の本貫である「青松沈氏」から取った名前だという。
Shop DATA
〒810-0801
福岡県福岡市博多区中洲2丁目2-7新中洲ビル2階
Tel.092-283-7194
営業時間:18:30~2:00
定休日:日曜日
メニュー
前菜オードブル盛り合わせ1780円、和牛イチボステーキ1480円、マヌルチキン900円、タイカルパッチョサラダ800円、おでんセット650円 ※すべて税込