“昨日よりも今日、今日よりも明日のために成長する姿を描いてきた”/【イオインタビュー】Vol.5 ちばてつやさん(漫画家)
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『あしたのジョー』『おれは鉄兵』など数々の名作を生み出してきた日本漫画界の重鎮・ちばてつやさん。82歳になる今も雑誌で連載を続ける一方、後進の育成にも力を注ぐ。
本誌による21年ぶりのインタビューはコロナ禍の中、オンラインで行った。代表作『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈の横顔をバックに、自らの戦争体験や人生のさまざまな出会い、そして漫画について縦横に語ってもらった。
―幼少期を朝鮮半島、旧満州の奉天(現在の遼寧省・瀋陽)で過ごし、6歳の時に敗戦を迎えたそうですね。命からがら日本に引き揚げてきた体験は『家路1945~2003』などさまざまな作品に描かれています。ご自身の戦争体験を語り継ぐ意味についてどのようにお考えですか。
生まれたのは東京で、1歳になる前に父親の仕事の関係で朝鮮半島のソウルに渡りました。それから2歳半か3歳の時に父親が中国東北部の奉天にある印刷会社に就職しました。印刷工場には朝鮮の人もいたし、モンゴルの人もいた。もちろん中国の人も。そんな環境で育ちました。
…(続きは月刊イオ2021年11月号をご覧ください)
【ちばてつや】本名:千葉徹弥。1939年1月11日、東京都生まれ。同年11月に朝鮮半島を経て41年1月、旧満州・奉天(現中国・遼寧省瀋陽)に渡る。45年の敗戦を経て、翌46年、中国より引揚げる。50年、友人の作る漫画同人誌「漫画クラブ」に参加。56年、単行本作品でプロデビュー。58年、『ママのバイオリン』で雑誌連載を始め、61年『ちかいの魔球』で週刊少年誌にデビュー。主な作品に『ユキの太陽』、『紫電改のタカ』、『ハリスの旋風』、『みそっかす』、『あしたのジョー』、『おれは鉄兵』、『あした天気になあれ』、『のたり松太郎』など。2012~18年に公益財団法人日本漫画家協会理事長。現在、同会長、文星芸術大学(宇都宮市)の学長も務める。東京都練馬区在住。