vol.11 あっぱれ!なコードスイッチング
広告
あっぱれ!なコードスイッチング(福岡朝鮮初級学校付属幼稚班(保育士) 梁静美先生)
ウリユチバンのオリニたちは、入園すると朝鮮語と日本語の2ヵ国語が飛び交う環境に置かれる。
入園間もないオリニたちが片言のウリマルを話す姿は、たまらなく愛おしい。それを保護者と共有できることは、保育者として冥利に尽きる。
「ここイムニカ(ここですか) ?」、「食べたイムニダ(食べました)」と、かじりたてのウリマルを自分なりに考えて口にする。このように、2ヵ国語を織り交ぜながら話す現象を「コードスイッチング」と言う。オリニたちは「コードスイッチング」を繰り返しながら、少しずつウリマルを習得していく。
言語を習得するにはまだまだ未熟で、たまにかわいい勘違いもある。
「チャルモゴッスムニダ(ごちそうさま)」を「チャルゴモッスムニダ」と言うのはもはや鉄板。克服するのは難技である。しかし、毎日のように口にすることで、ある日、にわかに言えるようになるのだから魔訶不思議だ。
最近では、「梁静美ソンセンニム」という言葉を「ソンセンニム」の総称と思い込んでしまい、他の先生を呼ぶ時にも「梁静美ソンセンニム」と言う2歳児がいた。
主任ということで、保護者が教えたのだろうか、あまりにも微笑ましい。2学期に入った今では、もちろんフェードアウトしてしまったが…(笑)。
また、ウリユチバンでは週に一度、英会話教室を行っているので、言わばトリリンガルの環境。3ヵ国語の違いをすでに感じとっているオリニたちはあっぱれだ。
異国の地に生まれ育ちながらも、アイデンティティの礎を築き、オリニたちは逞しく育っていくだろう。