vol.7 ウリハッキョで「出会う」 クルド人と在日朝鮮人
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扇形に並んだ机に着き、目の前に視線を注ぐ学生たち。要の位置にある椅子に座った男性は、ギターを抱えて問いかけた。「クルドと聞いたことはありますか?」。沈黙に被せるように彼が訊く。「ではトルコは?」。数人が頷くと、男性は笑みを浮かべつつ、弦を爪弾き始めた。
トルコ在住のクルド人で、民族音楽研究者、自らも音楽家であるセルダル・ジャーナン(1986年生)。やはり在トルコのクルド人で、ジャーナリストのイルファン・アクタン(1981年生)と共に6月、広島朝鮮初中高級学校(広島市)を訪問した。
「国」を持たない世界最大の民族、クルド人。その数は全世界で数千万人に上る。
苦難の歴史は近代国民国家の形成に始まる。彼らの故郷クルディスタンはイラン、イラク、シリア、トルコ4ヵ国の国境で引き裂かれた。植民地分割だった。続いたのは各国政府による迫害だ。トルコでクルド語、クルド文化は禁じられた。民族抹殺、国民化の暴力である…。(続きは月刊イオ2022年8月号に掲載)
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