特集「再発見! 朝鮮の食文化」
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朝鮮半島では、日本の「土用の丑の日」と似た「복날(伏日)」という風習があり、夏の日に参鶏湯などの滋養食を食べ、暑さに負けない体を作ります。
他にも子どもが生まれた時や、四季折々の行事で口にする우리 음식(朝鮮の食べ物)は、在日同胞の食卓でも伝えられてきました。
もっとおいしく、楽しく、健やかな体を作るために…朝鮮の食文化を見つめます。
朝鮮の食を楽しもう
金貞淑
朝鮮半島の人々は、どんなものを食べて暮らしてきたのでしょうか。また、それを食べることに、どんな思いや知恵を込めたのでしょう。朝鮮半島の食に詳しい金貞淑さん(朝鮮大学校短期学部教授、栄養学)に教えていただきました。
サンナムル、いろいろ/
暑いときに食べるサムゲタン/
秋夕といえばソンピョン/
お月見しながら五穀米/
100日祝いは、ペクソルギで/
誕生日のワカメスープ/
七夕の日のデザート/
婚礼で登場するナツメ、クリ
맛있어! 朝鮮半島メシ紀行
南北の本場で味わう朝鮮料理
八田靖史
ある料理をより深く探ろうとする場合、行き着く先はやはり「本場」ではないかと思う。朝鮮料理の代表格である冷麺や、ピビムパプ(비빔밥:ピビンバ)も例外ではない。
個人的な体験でも平壌で食べた冷麺、全羅北道の全州で食べたピビムパプは、いずれも別格の味わいだった。背景には地元の特産品を巧みに利用したとの共通点がある。
平壌冷麺はそば粉を主材料として麺を作るが、これはそもそも平壌を中心とした平安道がそばの名産地であることにつながる。
一方、全州ピビムパプは具材が20種類前後と豪華だが、これも一帯が湖南平野という広大な穀倉地帯であり、上質の米や、豆モヤシ、セリなどの野菜が豊富であることに関係する。近隣には淳昌というコチュジャンの名産地もあり、地域の名物をひとまとめにした郷土料理だとわかる。
本場まで足を運び、なぜその料理がその地域で生まれ愛されているのか、背景を知ることはその料理をより美味しく味わう重要な手段だ…。(続きは本誌9月号に掲載)
私の思い出の味
幼い頃によく食べた味、もう二度と味わえない味…。
あなたの思い出の味、聞かせてください。(読者の投稿から)