vol.8 vol.8 〝歴史的病理〟を葬るために 虐待死のウィシュマさん、遺族は闘う
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昨春、名古屋入管で虐待死させられたウィシュマ・サンダマリさん(享年33歳)の遺族が、国に約1億5600万円の賠償を求め闘っている。7月20日、名古屋地裁で開かれた第二回口頭弁論を傍聴した。
「収容は適法」「処遇に違法性はない」。入管に非はない。悪いのは在留資格なく滞日し、帰国を拒んだ彼女にある。これが国側の主張だが、根拠は出さない。原告側が求める監視映像の任意提出などに対しても、訟務検事は「不要」「検討する」と、木で鼻を括った答弁を繰り返した。
対面に座る妹のワヨミさん、ポールニマさん、そして故郷スリランカで報告を待つ母らの痛みへの想像力は欠片もない。答弁の度に傍聴席から飛んでいた支援者の怒号は、やがて失笑に変わっていった。冷え冷えとした「抗議」も、「これでいい」と開き直った役人の心には刺さらない。
記憶にない酷さ、無償化裁判にも通じる「公僕」の劣化だった…。(続きは月刊イオ2022年9月号に掲載)
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