vol.11 共に分かち合おう
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筆者●呉明希先生(24、九州朝鮮初中高級学校)
今年度、初めて1年生を受け持った私。
1年生の生活は、初めての経験で溢れている。初めての授業に初めての学校行事…まさに初めてづくしの生活だ。右も左もわからなくても、子どもたちは何事にも真剣に取り組んでいる。その姿を見るたびに私が元気をもらい、まだまだ頑張らなくてはと思うのだ。
子どもたちは、さまざまな“初めて”を通して、できることがどんどん増えていく。例えば、逆上がりができるようになったとか、計算ができるようになったとか。他にもたくさんあるが、ウリハッキョで一番できるようになったこと。それはウリマル(朝鮮語)を読んで書き、話せるようになったことだ。
初めて習うウリマルに、はじめは戸惑いがあった子どもたち。しかし「このウリマルは自分の名前にあるからもう覚えたんだ!」と、一つひとつ習得の喜びを嚙みしめていった。
また、ある子は学校中に貼ってある掲示物をまじまじと見つめては、「ソンセンニム(先生)! これ前の時間に習ったウリマルだよ! みんな読めるよ!」と嬉しそうに報告する。それを聞いていた他の子たちが「僕だって読める!」「まだ習っていない字だけど私はわかるよ!」と猛アピールをしてくる様子もほほえましい。
2学期に入り、低学年ではウリマル運動が始まった。ウリマルをたくさん使って一日を過ごすと、ご褒美シールがもらえる。子どもたちはまだ慣れないウリマルを頑張って話し、わからない単語は必死に聞いてくる。少なからずシール欲しさからでもあると思うが(笑)。
教員にとって、子どもたちの成長と、その喜びをかれら自身と分かち合えることがどんなに素敵なことか。これからも、嬉しいときも悲しいときもウリマルで共に分かち合っていきたい。
※本誌11月号の「반짝반짝1年生」にて、上記のものではなく、10月号のイラストが再度掲載されてしまいました。お詫びして訂正いたします。