「史上初の快挙」京都中高吹奏楽部/「全国」アンコンで金賞受賞
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「京都朝鮮中高級学校、ゴールド!金賞!」――
その瞬間、生徒たちは目を見開いて思わず雄叫びを上げた。同校70年の歴史そして民族教育の音楽芸術史に刻まれた瞬間だった。
京都朝鮮中高級学校(京都市)吹奏楽部が3月19日、アクトシティ浜松(静岡県浜松市)で行われた「第46回全日本アンサンブルコンテスト」(主催=全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社)中学校の部に出場し、打楽器5重奏で金賞を受賞した。
「全国」アンコン中学校の部に出演したのは、一般社団法人全日本吹奏楽連盟に加盟している7131校の中学校のうち京都中高を含む22校。2月11日に行われた関西アンコンで金賞を受賞した団体のうち、2団体が関西地区代表として選出された。
同校吹奏楽部が「全国」大会に出場するのは初めて。また「全国」規模のアンサンブルコンテストで金賞を受賞するのは、朝鮮学校の歴史でも初の快挙だった。
「無から有へ」――京都中高吹奏楽部のチャレンジはこのような言葉で表現できる。マリンバをはじめとしたいくつかの楽器は、学校に現物がなく、府外の有志たちから借り入れなければならなかった。他の楽器も、老朽化したものを何度も修繕し演奏に臨んだ。大型の楽器を積む専用トラックもない。それでも「必ず『全国』大会の舞台でウリハッキョの名を轟かせよう」と何度も立ち上がった。日本の名高いコーチからも指導を請うた。たくさんの人々の力添えのもと猛特訓した末、遂にその念願が叶った。「全国」大会出場への厚い壁を突破したのだ。