ホーム・スイート・ホーム 「焼き」にこだわる街のケーキ屋さん/sweets by nico(大阪府大阪市生野区)
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JR桃谷駅から、桃谷駅前商店街を抜けて3~4分、小道を行くと、香ばしい色合いの引き戸が目印の小さな洋菓子店「sweets by nico」にたどりつく。
店主の金純和さん(36)が一人で切り盛りする店では、愛らしいケーキたちのほか、自慢の焼き菓子が数多く並ぶ。中でもイチゴ、モモ、マンゴー、日向夏など、季節のフルーツをあしらったタルトは目で見ても楽しい。
店に看板はない。「等身大」がモットーだ。コンセプトは「ホーム・スイート・ホーム」。「家に帰ってきたような、ほっこりできるお店を目指したい」という店主の優しい思いが、店のいたるところから垣間見られる。
お菓子のこだわりはなんと言っても「焼き」。以前勤めた店舗ではフランス菓子を主に提供しており、ここで「おいしい生地」つまりケーキの「骨格」の大切さを学んだ。
ハチミツでマリネした爽やかな酸味の日向夏を宝石のように重ねた「日向夏のタルトレット」、おおぶりのイチゴを惜しみなく乗せた「いちごのタルトレット」…新鮮なフルーツと見事に調和するのはタルト生地のアーモンドの香ばしさ。硬すぎず柔らかすぎずもなく絶妙なサクサク食感は、「もう一度食べたい」という思いを一層かき立てる。
「帰りにこちらもどうぞ」と包んでくれた焼きたてのショーソン・オ・アナナス(パイナップルのパイ)は、バターの芳香な香り、何層にも重なるサクサクのパイ生地から、濃厚なパイナップルがゴロゴロと顔を出す満足感のある一品。こちらも絶品だ。
大阪朝鮮高級学校(当時)を卒業し、5年間、府商工会につとめた純和さんは、その後、別の仕事をしながら夜間の専門学校に通い、パティシエに。2店舗に勤めて修行を積み、2022年2月1日、満を持して自身の店をオープンさせた。
普段は20~30人の客が訪れる。中には「いつもありがとう」と花を贈ってくれる人も。互いの信頼関係を常に大事にしたいと純和さん。
「決して見た目が華やかで芸術的なものは作れない。でも自分の地元・桃谷という地域で、今まで学んできたものを活かし、シンプルだけど、食べて感動する、『ニッコリ』するお菓子作りに励みたい」
お菓子を一口、口に運べば、思わず笑顔がこぼれる。「スイーツ・バイ・『ニコ』」、その屋号にぴったりだ。
Shop DATA
sweets by nico
大阪府大阪市生野区勝山北4-1-57
Tel:070-1783-0025
営業時間:11:00~19:00
日曜営業、月火が定休日
Instagram:sweets_by_nico
メニュー
バニラシフォン2300円、いちごのタルトレット550円、日向夏のタルトレット480円、いちごのショートケーキ500円、ガトーショコラ400円、ぷりん300円、ショーソン・オ・アナナス350円、サブレ5種セット550円、フロランタン180円、おうちBOX(フィナンシェ、マドレーヌ、フロランタンのセット)550円