【イオニュースPICK UP】朝鮮学校に対する差別の撤廃を―オモニ大会参加者が文科省に要請
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5月19日に行われた第13回中央オモニ大会の参加者代表らが6月16日、参議院議員会館を訪れ、文部科学省の担当者に朝鮮高級学校に対する高校無償化制度の適用、朝鮮幼稚園に対する幼保無償化制度の適用など朝鮮学校に対する差別政策の是正と民族教育の制度的保障を要請した。
この日、参議院議員会館を訪れたのは、東京、神奈川、埼玉、千葉の朝鮮学校オモニ会代表と各地女性同盟の活動家ら11人。高良鉄美参議院議員(沖縄の風)、坂本洋子・日朝友好女性ネット代表が同席した。
姜慧英・女性同盟東京都本部子育て支援部長がオモニ大会で採択された永岡桂子文部科学大臣あての「朝鮮学校の子どもたちの学ぶ権利の尊重と民族教育の制度的保障を求める要望書」を読み上げ、文科省担当者に手渡した。
要望書は「在日朝鮮人への民族教育の保障は、国際人権規範を持ち出すまでもなく、植民地支配による朝鮮人に対する重大な人権侵害の原状回復の観点から、日本政府が当然果たすべき道義的義務だ」と指摘。また、今年4月から施行されたこども基本法では、こども施策を実行するにあたって「すべてのこどもが大切にされ、 基本的な人権が守られ、差別されないこと」を基本理念とするよう明記されている点に言及、日本政府が自ら策定したこども基本法の理念に基づき、朝鮮学校に通う子どもたちに対するあらゆる差別を即時撤廃することを求めた。具体的には、▼朝鮮学校生徒への高校無償化制度の即時適用、▼朝鮮幼稚園への幼保無償化制度の適用、▼2016年「3・29通知」を撤回し、朝鮮学校と保護者に対する地方自治体補助金を奨励すること、▼朝鮮学校の歴史と真摯に向き合い、民族教育を保障することの4点を求めた。
要望書の提出に続いて、出席者が発言した。
女性同盟埼玉県本部の金善恵子育て支援部長(50)は、「朝鮮学校は、自分のルーツを確認し、自分らしく生きることを学ぶ場所」だとしながら、「子どもたちの学ぶ権利を国が、行政が保証しないことはあってはならない」と批判した。また、「何十年も声を上げ続けてきたにもかかわらず進展がない中で、私たちも差別に慣れてしまっている。差別されても『またか』と思ってしまうのは恐ろしいことだ」とのべ、出席した文科省の担当者らに向けて「私たちの民族教育を理解し、保障してもらいたい」と訴えた。(文、写真:李相英)