【イオニュース PICK UP】「이어가자 미에!(つなごう三重!)」~ウリ民族フォーラム2023、三重・桑名で開催
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「ウリ民族フォーラム2023in三重」が9月17日、桑名市の柿安シティホールで行われた。
ウリ民族フォーラムは1995年に北海道で初めて開催されて以来、日本各地で毎年1回行われているイベントで、各地の青商会(在日本朝鮮青年商工会)を中心に開催地域を挙げて企画されるのが特徴。三重県でウリ民族フォーラムが開催されるのは今回が初めて。昨年12月に三重県青商会の金哲奎会長を委員長とする実行委員会を立ち上げ、準備を進めてきた。実行委員会には県青商会を中心に、総聯県本部・支部、青年同盟、女性同盟、四日市朝鮮初中級学校、商工会など県内のさまざまな団体のメンバーが入った。
この日、三重県在住および日本各地から訪れた同胞、青年商工会メンバーら約1300人がフォーラムを観覧した。
今フォーラムのテーマは「이어가자 미에! 용을 쓰자! ~우리 마음 하나로 모아~(つなごう三重! がんばろう! 心を一つに)」。
2部構成のフォーラムは、県内唯一の朝鮮学校である四日市朝鮮初中級学校の園児・児童・生徒らの合唱で幕を開けた。
第1部では、三重同胞社会と民族教育の軌跡をまとめた映像が流れた。三重県でどのようにして同胞コミュニティが形成されたのか、在日朝鮮人の来歴、1945年の祖国解放後の三重同胞社会の歩みと朝鮮学校の始まりなどが、当時を知る1世、2世の元教員、活動家らの証言と貴重な写真によってつづられていく。映像は「古き良き時代」から現在へ―。コミュニティの縮小、ウリハッキョの児童・生徒数減少が進む厳しい状況の中でも奮闘する人びとの姿がスクリーンに映し出される。10年前に三重県青商会が再建されるまでの道のりも。学校のために、コミュニティのために献身した今は亡き人びとをしのぶ映像が客席の涙を誘った。
映像の合間に、三重県在住同胞女性たちによる歌と踊りが舞台を彩った。
また、若者たちが舞台上で先代に対する感謝の言葉をのべ、客席にいる70歳以上の同胞たちに花束を贈るというサプライズ演出もあった。花束を受け取った人びとは感極まったようす。会場は温かい雰囲気に包まれた。
第2部はパネルディスカッション。総聯三重県本部副委員長兼鈴鹿支部委員長の曺修生さん、四日市朝鮮初中級学校校長の鄭俊宣さん、女性同盟三重県本部委員長の朴政子さん、青年同盟三重県本部委員長の兪竜浩さん、四日市朝鮮初中級学校オモニ会会長の金成華さん、中央青商会アドバイザーの文泰勝さん(朝鮮大学校政治経済学部准教授)がパネラーとして登場した。司会を三重県青商会副会長の李春成さん(パネラー兼任)と四日市朝鮮初中級学校教員の朴世里さんが務めた。
パネルディスカッションでは、青商会の同胞宅訪問のほかに、学校支援のための一口運動や児童・生徒募集、他校との交流の取り組み、土曜児童教室『コッポン』に『ウリトンムモヨラ』、総聯や朝青支部の再建、各種イベントの開催にいたるまで同胞社会と民族教育を守り、未来につないでいくために地域が一丸となって取り組んださまざまな活動とそれを通じて得た経験などについて話し合った。
フォーラムも終わりに近づき、県青商会の金哲奎会長が舞台中央へ。
「今日のフォーラムは三重同胞の新たな歴史を記す始まりに過ぎない。1人の100歩で歴史は変えられなくても、100人の1歩が未来を創造する。未来に向けた1歩をともに踏み出そう」
「이어가자 미에!(つなごう、三重!)」
金会長があいさつをしめくくると、舞台の幕が上がった。青年同盟を中心としたパワフルなサムルノリのパフォーマンス。続く農楽「青山里の豊年」で会場の熱気は最高潮に達した。
次回のフォーラム開催地は西東京地域。フィナーレを迎えたステージ上で、金会長から西東京青商会の黄哲秀会長にプレートが手渡された。
(文・写真:李相英)