vol.1 お正月のあいさつ
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①年越し前のあいさつ
설/명절 잘 쇠십시오.
【日本語訳】良いお年を。
②新年のあいさつ
새해를 축하합니다./새해 복 많이 받으세요.
【日本語訳】明けましておめでとうございます。
③孫から祖父母へ
할머니, 새해에도 정정하시고 부디 장수하십시오./
오래오래 앉아계십시오.
【日本語訳】おばあちゃん、今年も元気で、どうか長生きしてください。
④祖父母から孫へ
오냐. 너도 새해에 복 많이 받아라.
【日本語訳】うん、あなたも今年、幸せに過ごしなさい。
⑤お年玉をあげる時
자, 세배돈 줄게. 올해도 공부 잘하거라.
【日本語訳】はい、お年玉。今年も勉強がんばりなさい。
⑥民族特有の新年のあいさつ
떡국 몇그릇 먹었나?
【日本語訳】いくつになった?
年末年始、あいさつを使い分けてみよう
①は年越し前のあいさつです。「설」は「元旦、正月」、「명절」(名節)は「国家的、民俗的な祝祭日」のこと※。「쇠다」は「祝日や祭日を過ごす、迎える」という意味です。
②「새해를 축하합니다.」は、北で一般的に使われます。 一方、「새해 복 많이 받으세요.」は、直訳すると「新年もたくさん福をもらってください」ですが、同じく「明けましておめでとうございます」の意です。これは年末だけでなく年明けにも使われます。 同胞コミュニティでは「과세안녕하십니까?」が一般的です。과세(過歳)は「年を越すこと、新年を迎えること」を表します。祖国解放前(1945年)までは本国でも使われていましたが、現在では北でも南でも使われていません。ちなみに、年始に会えない相手には年賀状を送りますが、北では「년하장」ではなく「새해축하장」(新年の祝賀状)という言葉が広く使われています。
③「정정하다」は「年をとっても気丈で、かくしゃくとしている」と言う意味です。「장수하십시오.」と同じ意味で「오래오래 앉아계십시오.」もよく使われます。病気で寝たきり状態にならず、長寿を祈る言葉です。
⑤ 年上の人にする新年のあいさつを「세배」と言います。家の中では큰절(ひざまずいてするお辞儀)をしながら「세배」をします。「세배」をした子どもたちにあげるのが「세배돈」です。
⑥は「トックッ何杯食べた?」と言う意味です。トックッを主に正月に作って食べることから、「떡국을 먹는다」は「新年を迎え、ひとつ年を取る」を意味します。「떡국 몇그릇 먹었나?」と聞かれて、「두그릇 먹었어요」(2杯食べました。)と答えないでくださいね。
※朝鮮の代表的な伝統名節には양력설(陽暦の正月、1月1日)、「정월대보름」(陰暦1月15日)、「음력설」(旧正月、陰暦1月1日)、
「추석」(秋夕、陰暦8月15日)などがあります。現在では「음력설」を「설명절」(正月、元旦)と呼ぶことが多いようです。
筆者:孟福実●朝鮮大学校教育学部教授