【イオニュースPICK UP】朝鮮、0-1で惜敗:2026年W杯アジア2次予選 朝鮮対日本
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2026年FIFAワールドカップ北中米大会アジア2次予選の朝鮮民主主義人民共和国対日本戦が3月21日、東京の国立競技場で行われた。先月の女子サッカーに続いての朝・日戦となった今回の試合。朝鮮は日本に0対1で惜敗した。
2次予選はホーム&アウェー方式で行われる。この試合の前の時点で、日本が2戦全勝で首位、朝鮮は1勝1敗の2位につけていた。
試合はキックオフ直後に動いた。日本は前半2分、左サイドからのクロスを堂安律選手が中央へ折り返すと、南野拓実選手が右足でシュート。朝鮮選手に当たったこぼれ球を堂安選手がペナルティエリア右から折り返すと、最後は走り込んできた田中碧選手が右足で合わせてゴールネットを揺らし、先制した。朝鮮は開始早々、1点のビハインドを背負うことになった。
後方から細かくパスをつないで攻撃を組み立てる日本に対して、朝鮮は相手ボールを奪ってからは手数をかけず、縦に速い攻撃を組み立てる。日本に攻め込まれながらも、ゴールキーパーのカン・ジュヒョク選手を中心としたディフェンスで追加点を許さない。
前半終了間際の43分、朝鮮に大きなピンチが訪れる。ボール奪取からカウンターに移った日本は、南野選手がペナルティエリア中央に出したスルーパスに反応した堂安選手が抜け出してGKとの1対1に。しかし、狙いすました左足のシュートをGKが右足1本で止めるファインセーブでゴールを許さず。日本の猛攻をしのぎ、前半を0-1で折り返した。
前半で朝鮮のシュート数はゼロ。「このままではだめ。後半はもっとアグレッシブにいこうと決めた」と朝鮮チームの主将チャン・グッチョル選手が試合後に話したように、日本が主導権を握った前半とは一転、後半は開始早々から朝鮮が反攻に転じる。
後半2分、ハン・グァンソン選手がペナルティエリア手前の中央から左足で強烈なシュートを放つ。これは右ポストに阻まれたが、はね返ったボールをペク・チュンソン選手がペナルティエリア内から左足でシュートし、ゴールネットを揺らしたが、その前にファウルがあったとして得点は認められなかった。
朝鮮は前線からプレスをかけながら、激しいコンタクトで球際の攻防でも強さを見せる。縦に速い攻撃で日本ゴールを幾度も脅かしたが、固い守りに阻まれ、ゴールをこじ開けることができず。試合はそのまま0-1で終了した。
敗れはしたが、朝鮮はFIFAランキングでも「格上」の日本を相手に善戦。今後のホームゲームへ期待を抱かせるようなゲームだった。
また、J3・FC岐阜に所属する文仁柱選手(朝鮮大学校卒)はこの試合の後半38分に交代で出場し、待望の代表デビューを飾った。
この日も、3000人を超える在日同胞応援団がゴール裏のアウェー席に陣取り、朝鮮代表を熱烈に応援した。
試合後の記者会見で、シン・ヨンナム監督は、「内容的にも良い試合だった。サッカーは勝つときもあれば負けるときもある。今日の経験を活かして、今後の試合に向けてしっかりと準備していきたい」と語った。また、同胞たちの応援については、「同胞たちにいい姿を見せられずに申し訳ない。同胞たちの力強い声が選手たちの背中を押してくれた」と謝意をのべながら、「次戦の結果を期待してほしい。同胞たちの期待に必ず応えたい」と次戦での雪辱を誓った。
一方、日本代表の森保一監督は朝鮮代表について、「個々がハードワークをでき、チームの戦術を徹底できるということにおいて、すばらしいチーム」と評価。「思い描いたような攻撃ができなかった。後半の展開は、戦術もハイレベルで、われわれにとって非常に厳しい戦いになった。かれらのファイトはすばらしかった。次の対戦でも非常に厳しい戦いが待っていると思わせてくれる好チームだ」とのべた。
今回の試合の結果、グループBでは日本が首位を独走。同日行われたミャンマー対シリア戦が1-1で引き分けたことでシリアが2位に浮上し、朝鮮は3位に後退した。(文・李相英、写真・李鳳仁)