【短期連載】ウリハッキョの学校保健①兵庫
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日本の学校には子どものケガや心をケアする保健室に養護教諭がおり、健康診断の費用も公費で賄われるが、朝鮮学校にはそれがない。日本で朝鮮学校は「正規の学校」と認められていないからだ。学校保健を自力で培ってきた歴史は、長年にわたる同胞医療人、日本市民、現場の努力による。初回はフロントランナー・兵庫の取り組みを追った。(連載は全3回)
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朝鮮学校初の養護教諭
神戸朝鮮初中級学校(神戸市灘区)の保健室は、陽がよくあたる2階にある。薄緑のエプロンにクマのバッチをつけた養護教諭・徐千夏さん(51)が笑顔で迎えてくれた。10畳ほどの部屋の壁には、健康に関する掲示物がびっしりと並び、パズルなどの遊び道具も充実している。休み時間のたびにふらっと入ってくる中学生、パズルを楽しみに来室しては徐さんと雑談していく子など、保健室は子どもたちのたまり場のようだった。
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健診、保健教育を積み上げ
兵庫県では1977年に在日本朝鮮人医学協会(以下、医協)が結成された前後から、朝鮮学校の児童・生徒を対象に県内の同胞医師、看護師、日本人医師らによる健康診断が続けられてきた。90年には学校保健委員会(朝鮮学校保健担当教員会議)が発足、92年に保健教育が始まり、97年には兵庫県朝鮮学校保健校医会(以下、校医会)が結成され、翌98年からは同胞医師たちが県下の各朝鮮学校の「校医」として責任を持って健康診断を行う「校医制」が整えられた。
朝鮮学校保健担当教員会議には、各学校の保健担当教員が月1回ペースで集い、学校保健に関する問題を討議している。健康診断の準備、感染症の流行り具合、ケガや事故に遭った時の緊急時対応などテーマはさまざまだ。
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以上が抜粋です。記事の全文は月刊イオ7月号をご覧ください。
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