心落ち着く空間で、手作りの味を／コリアンダイニング HAN（福岡県遠賀郡）

by R.CHE · 公開済み 2024年9月19日 · 更新済み 2024年9月13日

鹿児島県産の黒豚を使ったサムギョプサル。手作りのキムチが旨味を引き立てる

遠賀郡水巻町、ＪＲ水巻駅から13分ほど歩くとコリアンダイニングＨＡＮがある。
赤い暖簾をくぐり、ドアを開けると店内にはカウンターとテーブル、座敷の席が広がっていた。店主の韓鶴江さん（遠賀女性同盟委員長、68）が趣向をこらした内装となっている。韓国料理屋でおなじみの「わいわいがやがや」な雰囲気ではなく、ゆっくり落ち着いて食事を楽しめるのが魅力の一つだ。
お店の一押しメニューは、さっぱりしてうまみがある鹿児島県産の黒豚を使用したサムギョプサル。鉄板の上で踊る肉汁が食欲を増幅させる。サンチュにエゴマの葉、肉と自家製のサムジャンやキムチ、ニンニクと白ネギを包んでいただく。おいしさで思わず唸り声が出てしまう。サムギョプサルに上カルビや海鮮チヂミなどをたっぷり味わえる「とくとくセット」も人気だ。
お店で提供する焼肉のタレやヤンニョムチキンのタレ、キムチなど料理は手作りにこだわっている。韓さんの「安心して食べてほしい」という思いからだ。
彩り鮮やかなチャプチェは卓上で映える。〆には石焼ピビンパや冷麺、アサリやズッキーニも入った具だくさんなスンドゥブ（純豆腐）チゲとライスもよく出るのだとか。
味付けは日本人向けにあまり辛くせず、辛みがほしい客にはヤンニョムを提供している。「これだったら子どもも一緒に連れてこられる」と地域住民から好評だ。
客の８割は女性で、比較的年齢層は高め。多くは地域住民だが、地元の青年商工会（青商会）メンバーなど同胞たちも食べにきてくれるという。テイクアウトやオードブルの注文に対応してくれるのもうれしい。
元は専業主婦だった店主の韓さん。夫である許広実さん（68）の提案で２０
１０年からお店を始めた。忙しい時は許さんも店を手伝う。韓さんは「『今日もおいしかったです』と言ってもらえるのが何よりの幸せ」だという。
お店から発信する宣伝はオープン当初からほとんど行っておらず、その評判は口コミで広がっていった。「もう一度訪れたい」と思わせるお店の雰囲気と店主の真心こもった料理にリピーターは絶えない。