中村一成『今日に抗う 過ぎ去らぬ人々』―ウトロで出版記念講演会
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言葉を受け取り、次につなぐ
9月6日に発売されたジャーナリスト中村一成さんの著書『今日に抗う 過ぎ去らぬ人々』(三一書房)の出版を記念して、著者の講演会が10月27日、京都府宇治市のウトロ平和祈念館で開催され、約120人が参加した。
「やっぱり同胞やで、民族やで」
本書は、本誌・月刊イオ2018年1月号から24年1月号まで約6年にわたって連載されたエッセイ「在日朝鮮人を見つめて」「今、この時代を生きる」を書籍化したもの。
主催は本誌を中心とした実行委員会。この日、著者の地元である京都、大阪を中心に東京、神奈川、愛知など日本各地から同胞と日本市民が会場を訪れた。
本書の副題「過ぎ去らぬ人々」は、昨年に急逝した徐京植さんの著書のタイトルから取った。新聞記者の理想と現実のギャップに直面し、仕事になじめず疲弊したとき、その著書に励まされ、大きな影響を受けた徐さんへの追悼の意味を込めたという。
「その人が亡くなったら消え去ってしまうものを記録し、歴史として残していきたいという気持ちがあった。その人から言葉を受け取るというのは、生き方を受け取ることでもある。言葉を受け取り、それを次につないでいくことには喜びだけでなく、責任も伴う」。中村さんは人の言葉に触れる喜びにとりつかれてきた自身のジャーナリストとしての道のりを振り返った。そして、エッセイ執筆の動機や連載を続けた6年間を振り返りながら、「過ぎ去らぬ人々」との交流のエピソードや彼らから受け取ってきた言葉を紹介していった。
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