朝鮮学校で出会い、共感/ルワンダ虐殺生き延びた女性が神戸朝高で講演
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学校創立75周年を迎えた神戸朝鮮高級学校(垂水区)で2024年11月19日、「ルワンダの悲劇から学んだ命の尊さ~平和と教育の大切さ~」と題した講演会が行われた(主催=同校、後援=兵庫県ユニセフ協会、兵庫県外国人学校協議会)。講師は、1994年に起こったルワンダ虐殺を生き延びた永遠瑠マリールイズさん(59)が務めた。
歴史的共通性
「アニョハセヨ」。講演が始まり、開口一番、永遠瑠マリールイズさんが朝鮮語で挨拶したことで生徒たちから感嘆の声があがった。
現在、日本で暮らすマリールイズさん。
日本に留学しルワンダに帰国した後、19
94年のジェノサイドを経験した。20
00年に立ち上げた「NPO法人 ルワンダの教育を考える会」の理事長を務める。
ルワンダは、アフリカの中東部に位置する小さな国。ドイツとベルギーによる植民地支配を被る。元々「ツチ」「フツ」「トワ」という社会階層的な区分が存在していたものの、ベルギーによりそれまで不明瞭だった民族が意図的に区別されたことで、ツチとフツの関係が悪化。1962年に独立した後も対立が続き、フツ系の大統領が乗る飛行機が撃墜されたことでツチに対するジェノサイドがはじまる。1994年4月から7月までの約100日間に50万~100万人と言われる人びとが殺害された。政府勢力による組織的な虐殺、マスメディアによる扇動、民兵や民間人が「マチェーテ」と呼ばれるなたを使用して人びとを殺害したことは、1923年の関東大震災時朝鮮人虐殺と似ている。
19世紀から20世紀初頭にかけて、アフリカはヨーロッパ諸国によって植民地として分割、恣意的に線引きされた一方、東アジアでは、日本が植民地支配圏を拡大していく。連関する歴史、被支配を経験した者の子孫同士、あるいはジェノサイドを経験したルワンダ人/ジェノサイドを経験した者に連なる在日朝鮮人として、マリールイズさんと神戸朝高生徒が邂逅した。マリールイズさんが朝鮮学校を訪れるのは初めて。事前学習をしたものの、生徒たちがルワンダについて直接学ぶのも初めてのことだった。
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以上が記事の抜粋です。全文は本誌2025年1月号をご覧ください。
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