「高校無償化」排外主義とのたたかいの先に(上)
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「当事者」として向き合う日本人の思い
昨年8月の菅直人前首相の審査再開指示から半年が経過したが、
朝鮮学校への「高校無償化」適用はいまだなされていない。
無情にも、今年度卒業生らもまた適用を受けられないまま母校を
巣立っていった。朝鮮学校関係者をはじめとするこの問題に取り組む
多くの人びとが「延長戦」を強いられる中、この問題をめぐる人びとの思いは今――。
まず、朝鮮学校の問題を自らの問題として捉え取り組む日本人の姿を伝える。
3月3、4日の両日に、朝鮮高級学校の卒業式が日本各地で行われた。祝福の花束に包まれ卒業生らは保護者と教職員たち、そしてウリハッキョへのあふれる感謝の思いを分かち合っていた。しかし、また今年も「朝鮮学校除外」の痛みを連れての卒業となった。
康麻梨さん(18、東京中高)は、「祖父母や父母たちがあらゆる権利を獲得してきたように、無償化を勝ち取って後輩たちに渡したかった」と悔しさをにじませた。康さんは春から日本の大学へ進学する。「卒業生を含めた、もっと幅広い人たちに呼びかけていきたい」。その瞳は真っ直ぐに前を見つめていた。