逆境にあるとき人は言葉に出逢う− 柳美里
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この春中学生になる子どもたちにメッセージを送る、という「毎日小学生新聞」の連載インタヴューを受けました。
インタヴューの前に、十代前半の自分を思い返してみました。
小学校の卒業文集の「将来の夢」には、「わたしは小説家になります。なりたいのではなく、必ずなります」と書きました。
自分の才能を確信していたというのではなく、小学校の六年間を通して激しいイジメに遭っていたことが、わたしを書くことに向かわせたのです。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「ピョンヤンの夏休み」「ファミリー・シークレット」がある。