特集・高校無償化をあきらめない
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「教育の機会均等」を目指した「高校無償化法」から、朝鮮高校生たちが外され、2年がたった。少数者の教育を率先して守るべき政府が、むしろ先頭に立って差別する日本。それでも生徒たちは朝鮮学校に通い続け、地域同胞は学校を支え続けている。未来に向けた民族教育を―。差別なき無償化を勝ち取るため、民族教育の権利を原点から考えたい。
座談会・今こそふんばり時、何をすべき? 何ができる?
朝鮮高校生たちが、「高校無償化」の対象から外されて3年目を迎えた今、差別なき無償化を勝ち取るために地道に働きかけてきた3人に、2年間を振り返りつつ、朝鮮学校の無償化適用を勝ち取るために何をすべきかを話してもらった。
森本孝子・「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会
金東鶴・在日本朝鮮人人権協会事務局長
朴京愛・前神奈川朝鮮中高級学校オモニ会会長
闘いの2年半―、私の思い
この間、朝鮮学校への適用を勝ち取るための闘いが日本全国で繰り広げられてきた。生徒、教員、保護者、日本人などそれぞれの立場から「高校無償化問題」をめぐる思いを語ってもらった。
画期的な高校無償化が、画竜点睛を欠いている
田中宏 ・一橋大学名誉教授
朝鮮学園の小さな紳士淑女たちと「子どもの権利条約」
鈴木孝雄(弁護士)
Q&A 高校無償化とはどんな制度?
朝鮮学校が排除されたまま高校無償化制度がスタートし、すでに2年以上が過ぎました。この間、朝鮮学校の教育内容など制度とはまったく関係ないことがクローズアップされ、地方自治体の補助金カットなど事態は悪い方向に進んでいます。ここでは、高校無償化制度がどのようなものなのか、なぜ朝鮮学校が排除されているのかといった、基本的な問題をおさらいします。
「子どもの人権」・世界と日本の差をどう埋めるか
日本が批准する国際条約は、締約国が外国人の子どもに教育を受ける権利を保障するよう求めている。高校無償化問題でも国連は日本政府に対し、差別なき適用を求めた。なぜ、世界の常識が日本の非常識になってしまうのか―。専門家に聞いた。
●師岡康子(外国人学校・民族教育の制度的保障を実現するネットワーク)
世界が知る朝鮮学校差別、国連勧告を日本を変えるインパクトに
●宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会部長)
国連活動から20年、歴史的経緯踏まえた待遇を