最近の朝鮮に関するお話
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今日は9月7日。残暑の厳しさが続く中、「イオ」編集部は校了日に向けて猛烈な追い込みに入っています。
3ヵ月の朝鮮駐在勤務を終えて8月11日に日本へ戻ってきた私。この雰囲気を久しぶりに味わいながら、「イオ」編集部員としての自身のアイデンティティを否応なく再確認させられています。
数日前、朝鮮問題を研究する諸先輩方から宴席に招待されました。招待されたのは、私を含め、ここ最近訪朝した人たち数人。朝鮮に滞在した際の「みやげ話」などを披露する、というのが会の趣旨でありました。
私は大したネタを提供できなかったのですが、このたび「羅先経済貿易地帯」を取材した某紙記者の話は非常に興味深く、いま現地で起こっている変化について知ることができました。普通の人には敬遠されるであろうマニアックな話題も存分に楽しむことができるこのような場が私は結構好きです。
さて、今月25日には最高人民会議第12期第6回会議が召集されます。
同会議は朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第87条により、国の最高主権機関に定められています。同会議が有する主な権限には、最高人民会議常任委員会や国防委員会の委員の選出・召還、内閣総理および閣僚の任免、憲法修正および法律の制定、条約の批准・廃棄のほかに国家の対内外政策の基本原則をたてることなども含まれます。(社会主義憲法第91条)
年に1度の開催が通例(だいたい3月や4月といった春先)ですが、今年は4月13日に続き2回目の開催になります。会議の議題については明らかになっていませんが、日本や韓国のメディアは、年2回の開催は「異例のこと」だとし、朝鮮が進めている「経済改革」と関連して何らかの決定や法改正、人事などが行われる可能性があるとの見方を示しています。
確かに年に複数回の開催は「異例」なのですが、過去にそのようなケースが全くないわけではありません。最高人民会議が年2回開かれるのは、最近だと2003年と2010年のケースがあります。
2003年は、3月に第10期第6回会議が開かれた後、8月の代議員選挙を経て、9月に第11期第1回会議が召集されました。2010年のケースでは、4月9日に第12期第2回会議が、2ヵ月後の6月7日に第3回会議が開かれました。この会議では、当時の金英逸総理が解任され、平壌市党責任書記だった崔永林氏が総理に、党中央委員会行政部長、国防委員会委員の張成沢氏が国防委員会副委員長にそれぞれ選出されました。当時記憶に残っているのが、朝鮮中央通信などが会議で選出された総理、国防委員会副委員長、そして6人の副総理の略歴を顔写真付きで配信したことです。これこそ、当時では「異例のこと」。
さて、このたびの第12期第6回会議の議題は? 私個人的にも、いま話題に上っている「新たな経済管理改善措置」と関連する何らかの決定や法改正、機構改変、人事などが議題になると思いますが、いかに?(相)