横浜朝鮮初級学校
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横浜朝鮮初級学校
今月のウリハッキョ横浜朝鮮初級学校 創立:1946年2月25日 |
クラブ活動で、五感をフル回転!
子どもたちのあいさつがさわやかです
横浜駅から20分、沢渡の高台を目指し(百の階段)と呼ばれる石段を上ると木々に囲まれた運動場が視界を広げてくれる。ざくろの木をくぐって校舎へ足を踏み入れると、そこには元気ハツラツの子どもたちが学校生活を満喫していた。 まずはこの春入学した1年生の顔が見たく音楽室へ。膝をそろえて座っている子どもたちに、「みんな、よーく音を聞いてね」と崔玉姫先生。教室が静まり返るなか、スピーカーから音楽が流れると、弾けるように子どもたちが踊りだした。「風の音が聞こえる?」の問いかけに背筋はピーンと伸び、トライアングルの振動音に耳をそばだてる…。崔先生の軽妙な会話も手伝ってか、音楽の授業はチビッコたちの笑顔があふれていた。 「ウリハッキョに通わせたからには、親御さんは朝鮮人にしっかり育つことを望んでいます。朝鮮語を正しく話せ、きちんとあいさつできる子を育てたい」と語るのは今春校長に就任した梁桂鳳先生(43)だ。 同校では月に2回、朝鮮語話術に長けた講師を招いた特別授業を開いており、日ごろの授業でも言語の4機能をバランスよく育てるために学校をあげて取り組んでいる。作文コンクールや口演大会で金賞を受賞するなど、近年になって地道な努力が実を結びだしたそうだ。 クラブ活動も盛んだ。サッカー部は今年のコマチュックでは1部で7位を獲得。他に舞踊部、美術部、バスケットボール部、音楽クラブがあるが、子どもたちは心地良い汗を流し、民族の情緒を育みつつ、チームワークを学ぶ。 地域同胞の支えも心強いという。遠距離通学、共働き世帯のための学童保育は5年前に設けられた。ブロックを組み立てたり、宿題を見てあげたりと、放課後の憩いの時間を見守っているのは元校長の金鳳淑さん。また、産婦人科医、歯科医、薬剤師、助産師など、地元の同胞医療人が手を携え、子どもたちに歯科・薬学・性教育を施し、子どもたちの視野を広げてくれている。 近隣の横浜市立青木小学校との交流は20年になるから驚きだ。両校が交流したきっかけは、横浜初級と青木小学校の子どもたちのケンカだった。まず教員同士からつながろうと行き来が始まり、毎年恒例の焼肉大会はみんなが待ちわびるイベントになっているそうだ。学年別の交流も行われており、今年は9月初めに横浜初級の2年生が青木小のプールで水泳の授業を、6年生は国会見学を合同で行った。10月24日には神奈川区音楽会に両校の児童が一緒に出場するという。長きに渡る交流の秘訣を聞くと、「教員同士が仕事抜きでも会いたいと思っているから」というから納得だ。 11月23日には同校の学芸会が開かれる。神奈川県でも日本人と結婚したり、韓国から来日した女性と結婚する同胞が増えており、ありのままの朝鮮学校を知ってもらう努力が一層求められているという。学芸会では就学前のオリニたちと横浜初級の児童が同じ地域に暮らすオリニとして、ともに舞台を飾るというから必見だ。