【特別企画】2013年、朝鮮半島を読む
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経済復興プロジェクトの本格始動
金正恩第1書記、就任2年目の「創造と変革」
金志永●朝鮮新報記者
2013年、朝鮮の展望を示すキーワードは、金正恩第1書記が「新年の辞」で今年の国政基調を示す言葉としてのべた「創造と変革」だ。若きリーダーは、昨年の実績に基づき「強盛国家建設における新たな局面」、すなわち長年にわたり蓄積してきた経済復興プロジェクトの本格始動を宣言した。
「第2の6・15時代」見据え、越えるべきハードル
韓国大統領選挙と北南関係の展望
崔勇海●朝鮮大学校政治経済学部准教授
2012年12月に行われた韓国第18代大統領選挙において、与党朴槿恵候補が僅差での勝利をおさめた。薄氷の接戦は避けられないものの、野党候補文在寅氏の勝利による政権交代を確信していた私にとって、今回の結果にはかなりの精神的ダメージを与えられた。韓国の社会でいう「メンブン」(メンタル崩壊状態)に陥ったわけであるが、その主な理由は政権交代の行く先に展望していた北南関係の劇的改善と、バージョンアップされた「第2の6・15時代の到来」に胸ふくらませていたからであろう。
朝鮮半島情勢と日本の対朝鮮政策
出そろった新たな指導者の顔ぶれ
浅井基文●国際問題研究者
アメリカ(第2期オバマ政権)、中国(習近平指導部)、ロシア(プーチン政権)、日本(安倍・自民党政権)、そして韓国(朴槿恵・セヌリ党政権)において朝鮮半島に積極的にかかわっていく指導者の顔ぶれが出そろった。これほど一時期に集中したトップ人事更新ということはかつてなかったことであり、それだけに、2013年以後の朝鮮半島情勢がどのような展開を示すかということに人々の関心が高まるのは無理からぬことだ。朝鮮では、金正日死去を受けた金正恩政権が、人工衛星打ち上げ成功を背景に、東アジアの国際環境の変化に主体的に対応する体制を整えている。朝鮮半島情勢に影響を及ぼす重要な国際的要素を検討し、そのもとで日本の対朝鮮政策について考える。