北九州朝鮮初級学校
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今月のウリハッキョ北九州朝鮮初級学校 創立:1968年1月18日 |
黒崎にあった北九州朝鮮初級学校が現在の場所に移ってきたのは2004年のこと。九州朝鮮高級学校とともに同じ敷地内に立派な新校舎が竣工された。
2013年に創立45周年を迎える同校。福岡県の中でも同胞が数多く暮らす北九州市唯一の朝鮮初級学校として、ウリマル教育を中心に同胞社会の未来を担う児童たちの学力の向上に一層の力を入れている。漢字検定や算数検定試験も奨励しており、多くの児童たちが優秀な成績を収めている。また、授業以外にも、朝の校内放送や全校生による朝礼の時間を活用して、児童たちの手によるウリマル学習を行っている。
課外授業が多いのも特徴。幼稚班、初級部低学年を中心に積極的に外に出る。その多さに「保護者たちも驚くほど」だと文達成校長。情緒教育の取り組みの一環であり、イモ掘りや工場見学など内容も多彩だ。取材に訪れた日は「ミカン狩り」が予定されていたが、雨天のため延期、子どもたちは残念がっていた。
クラブ活動は男子のサッカー、女子の朝鮮舞踊、カヤグム部など。初級部でカヤグム部を置いている学校はそう多くないという。ほかに、民族打楽器サークルも週1回運営されている。また、正式な部活動ではないが、課外サークル活動の一環として保護者の指導の下、幼稚班から低学年の児童を対象に週1回のサッカー教室も実施されている。
対外的な交流も積極的に進めている。目指すは「地域に密着した学校」だ。近隣の小学校で行っている田植えや稲刈りに参加したり、3年前からは福岡教育大学の学生たちとの交流も行っている。また同校は日本全国の朝鮮初級学校の中で初めて小学校体育連盟(小体連)に正式加盟(06年)したことでも有名だ。現在も、市の小体連主催の球技大会、陸上記録会、連合音楽会に参加したり小文連(小学校文化連盟)主催の学童理科作品展に出品するなど活動の幅を広げている。
そんな「天真爛漫、純粋で活発」(文校長)な児童たちの学校生活を周囲も一所懸命にサポートしている。オモニ会は、キムチのバザーの売り上げで学校の財政を助けているほか、教材の寄贈、給食づくりや学校行事の手伝いなど大活躍。地域の青商会でも毎年、チャリティゴルフコンペなどを通じて幼稚班、初級部の新入学生へ制服をプレゼントしているほか、学校の美化・補修活動にも汗を流している。
来年の創立45周年に際して、年間を通じた記念行事も準備中だ。夏場の一大イベントである納涼祭や高齢同胞のための敬老会も行われるなど、地域同胞社会の拠点としての学校の重要性は今も変わらない。 文校長は、「これからの50年を見すえて、学校のビジョンをしっかりと示し、同胞たちの支持と信頼を得られるような学校にすること。子どもたちの民族性を守りながら、ウリハッキョの特色を出していきたい」と今後の抱負を語った。