大阪朝鮮高級学校
広告
今月のウリハッキョ
大阪朝鮮高級学校 創立:1952年4月10日 |
西日本で最大の朝高、
運動クラブの活躍でも有名
昨年、創立60周年を迎えた大阪朝鮮高級学校。東京朝鮮中高級学校に次ぐ規模を誇る同校は、日本最大の同胞集住地域である大阪府における中等民族教育の拠点としての歴史を刻んできた。 豊かな民族性を育み、優れた語学力と国際感覚、そして幅広い学力を身につけ、課外活動にも積極的に取り組むというのが同校の教育の特色。中でも母国語教育の実践には一貫して力を入れており、教員はもちろん生徒たちの話すウリマルも流暢だ。
基礎学力の向上にも力を入れており、漢検や英検など各種検定や資格試験の合格者も少なくない。朝鮮大学校のほかに日本の有名国公立、私立大学への進学実績も高く、生徒たちの学力は折り紙つきだ。
同校の高健植教務部長は「物おじせず、人懐っこい性格で活発」と生徒たちを評する。「あとは、何をするにも面白くやろう、『ウケを狙う』という大阪の気質も息づいていますね」。
大阪朝高といえばクラブ活動が盛んなことでも有名。運動部は在日朝鮮学生中央体育大会はもちろん、日本の大会でも活躍はめざましい。とくにサッカー部、ラグビー部、ボクシング部は夏のインターハイや冬の全国選手権大会に何度も出場し、好成績を収めている。運動部ではほかにもバレーボール、バスケットボール、空手、テニス、陸上、野球などがある。最近の活躍を挙げるだけでも、ラグビー部が今年春の全国高等学校選抜ラグビー大会で3位、高校4冠の李健太選手を含め3選手がインターハイ・ボクシング競技への出場権を獲得、空手部の宋尹学さん(3年)が6月の東アジア選手権大会に朝鮮代表として参加し銅メダル獲得、など数多い。
文化・芸術クラブでは舞踊部、コーラス部、吹奏学部、民族器楽部などがある。吹奏学部は昨年の第62回関西吹奏楽コンクールで創部以来初めて金賞に輝いた。同部は全日本吹奏楽連盟に加盟し、各種のコンクールや東日本大震災チャリティコンサートなどに参加しているほか日本学校との交流も日常的に行っている。韓国の支援団体モンダンヨンピルのコンサート(7月)にコーラス部と舞踊部が出演するなど、文化・芸術クラブは対外活動の舞台に多く立っているのも特徴だ。
クラブ活動以外の課外活動にも積極的に取り組んでいる。6月には2年の生徒らが休校中の奈良朝鮮初中級学校を訪問し、学校見学のほかに土曜児童教室を手伝った。生駒トンネル、ウトロなどを対象とした歴史実習を毎年実施し、府下の朝鮮学校で実習も行っている。
生徒たちは「高校無償化」除外や府・市の補助金支給打ち切りに対する抗議やビラまき、署名活動にも熱心に取り組んでいる。そんな学校や生徒たちを大阪朝鮮学園支援基金(ホンギルトン基金)をはじめとする支援団体も支えている。
盛大に催された昨年の学校創立60周年記念行事には府内外から多くの人々が訪れ、同校の「還暦」を祝った。高教務部長は、「学力の向上に加えて生徒会の活動にクラブ活動という3つの柱を今後も堅持し、生徒たちの個性を活かして伸ばす教育を心がけていきたい」と目標を語ってくれた。