京都朝鮮中高級学校
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今月のウリハッキョ
京都朝鮮中高級学校 創立:1953年4月20日 |
モットーは明るく、仲良く!
自主性を育み力のある人材育成を
銀閣寺前を通り、山道を登ったところにある京都朝鮮中高級学校。京都市左京区に位置する同校には電車やバスを乗り継いで通うのが一般だが、多くの男子生徒は自転車で登校してくる。
舞踊部、サッカー部、吹奏楽部など部活生たちは朝から元気だ。朝練習を終え、急いで教室に上がる。
学習面では「授業の水準を高めよう」と、まずは教員たちの実力向上のために週に1度必ず5分間の模擬授業を行う。教員同士が意見を言い合い、日々切磋琢磨している。また、生徒たちは高級部卒業までに英検・ハングル検定ともに準2級合格を目標にしており、希望すれば級別指導も受けられる。授業中の態度はとても真面目。友達とのやりとりや先生の冗談に笑いながらも、集中すべきところは真剣な表情で聞きとる。積極的に発言し他の発言にもきちんと耳を傾けるなど、自主的に学ぶ姿が見受けられた。また、今年は中級部と高級部に1人ずつ編入生を迎え、担当教員と同級生たちの協力のもと一生懸命ウリマルを勉強していた。
休み時間になると雰囲気は一変。中級部の校舎では、上級生も下級生も互いにちょっかいをかけながら元気な笑い声を立てていた。金誠謙さん(高3)は、「みんな仲がよく、とても明るいのがウリハッキョのいいところ」と話す。同校は校舎がふたつに分かれており、もともとあった校舎で中級部が、1961年に建てられた校舎で高級部がそれぞれ学んでいる。
クラブ活動は中級部と高級部にそれぞれサッカー部、陸上部、卓球部、バスケ部、吹奏楽部、民族器楽部、声楽部、舞踊部、美術部があり、吹奏楽、民族器楽、美術が中高合同で練習を行っている。京都府の吹奏楽コンクールで何度も金賞を受賞している吹奏楽部や、在日朝鮮学生中央芸術競演大会の重奏部門で2年連続優秀作品に選ばれている民族器楽部など芸術面での成果が大きい同校。加えて、昨年は中級部サッカー部が全国中学校サッカー大会近畿予選に初出場を果たすなど運動部の成長も目ざましい。
学校支援の面では、オモニ会と青商会の取り組みが特徴的。オモニ会は行事の手伝いのみならず、独自に講演会を開いて他の保護者に民族教育の大切さを考える場を提供している。「高校無償化」適用のための署名活動も積極的に続けている。青商会は会の中で民族教育支援委員会を立ち上げ、中級部生徒を対象とした宿泊講習「ミレ学園」や、高級部生徒のための夜間特別学習指導「未来ゼミナール」を運営している。「生徒たちにしっかりとした目標を持ってもらうのがねらい。積極的に参加する人数も増え、人材育成のための大きな力になってくれている」と話すのは、青商会専門の教育アドバイザーを務める同校の厳康秀先生(38)。
日本学校との交流も魅力的だ。京都市内にある嘉楽中学校とは約30年間、交流を続けている。学生同士の交流はもちろん、教員がお互いの学校に行って特別講義をするなど内容も充実している。
京都中高は今年で創立60周年を迎える。60年を契機にさらに母校を発展させていくため、教員・生徒が「全国で一番の学校、見本になる学校を目指そう」という目標のもと各種行事の準備を進めている。取材で訪れた時は9月22日の体育祭のために午前は授業、午後は種目の練習という日課をこなしていた。クラブ活動でも各種大会に向けて猛練習の毎日だ。