千年の歴史と文化が香る古都・開城
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分断を塗りかえるケソンの息吹
開城は、朝鮮初の統一国家高麗の千年の歴史と文化が香る古都である。東アジア最大の寺院・霊通寺をはじめ、学者・政治家として歴史に足跡を残す鄭夢周ゆかりの崧陽書院、そして鄭が暗殺された善竹橋などの遺跡が多く存在する。
また、高麗王朝の始祖王建の陵墓や朝鮮王朝時代に令名を馳せた才色兼備の女性詩人・黄真伊の墓に、高麗時代の山城として名高い大興山城や城内の観音寺、大興寺もあり、天下の名勝・「朴淵の滝」がしぶきをあげる風光明媚な美しい都だ。その開城の中心部から東へ8キロメートル地点には、軍事境界線の村・板門店がある。
文光善(ムン・クァンソン)
1948年生まれ。東京朝鮮中高級学校卒業。カラー現像所、朝鮮画報社を経て、朝鮮新報写真部長を歴任。在日本朝鮮文学芸術家同盟写真部長。第35回世界卓球選手権大会(平壌、1979年)をはじめ朝鮮での撮影は約43回に及ぶ。2000年6月、07年10月の2回にわたる北南首脳会談、07年5月の北南鉄道連絡区間試運転などの歴史的な現場も取材した。共著に「高麗・千年の都―開城」(梨の木舎、2009)