「常識」を覆すたたかい~vol.15 就職・職業差別の是正
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戦後、在日朝鮮人に対する就職差別は「常識」だった。公的機関による外国人排除の論理は民間における国籍・民族による就職差別を助長し、在日朝鮮人の職業選択の自由は侵害され続けた。その傾向は現在においても根本的に是正されていない。
大企業の差別明らかに
就職差別に一つの風穴を開けたのは1970年代の「日立就職差別裁判闘争」だった。
70年8月、愛知県在住の在日韓国人2世・朴鐘碩さん(当時18歳)は日立ソフトウェア戸塚工場の採用試験を受け合格したが、戸籍謄本の提出を求めた会社側に対して在日朝鮮人であると告げたところ、一方的に採用取り消しを通告された。朴さんは同年12月8日、解雇の無効と慰謝料などを求めて横浜地裁に提訴する。