「村上さんのところ」という本を読んで
広告
先日、ようやく一冊の本を読み終えた。
「村上さんのところ」という本。
小説家の村上春樹さんが期間限定でサイトからのメールを集い、読者への質問に答えていくというもの。
集まったメールはなんと119日間で、3万7465通だというから驚きだ。
もっと驚くべきは村上春樹さんは、その3万7465通すべてに目を通し、その中から3716問の質問に答えたというのだから、すごすぎる。
書籍版はそのなかから選りすぐりの473通の質問と答えが掲載されている。
とにかく分厚い本なので、最初は持ち歩くのも億劫だったが、どんどん読み進めていくうちに、持ち歩くのが苦にならならいほど、のめり込んでいった。
村上春樹さんが、ひとつひとつの質問に、言葉を選び、丁寧に答えていく文章を読んでいると、不思議と日々のイライラが治まり、癒されていった。
質問はとにかくバリエーションに富んでいて、原発などの政治的問題から、夫婦がうまくいく秘訣、哲学的な質問などまで、丁寧に答えている。
その中には在日コリアンから寄せられた質問も2通ほどあった。詳しくはぜひ読んで欲しいのだが、村上さんの真摯に答える文章は、どれも胸に静かに染み込んでくるように、心地よい。
お気に入りの質問と答が記されているページには印をつけてしまうほど。
とにかく、読み終えてしまうのが、名残惜しいほど、読んでいて、とても癒される本だった。電子書籍版は3716問の質問に答えているコンプリート版だということで、ぜひ読みたいと思っている。(愛)