観劇で感激
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昨日は世間一般では休日でしたが、意地でも休まず(毎年、普通に出勤です)、午前中はイオ編集部の大掃除、午後は観劇、夜はイオ編集部の忘年会と充実した1日でした。
午後の観劇ですが、観たのは劇団アランサムセによる公演、「現代朝鮮演劇シリーズVol.1」。劇団アランサムセは、月刊イオで毎年、手を替え品を替え連載を続けている金正浩さん(2010年は「ジョンホの読み方」を連載)が主宰する在日朝鮮人の劇団で、これまでオリジナルのシナリオで公演を続けてきました。
今回は初めて、朝鮮民主主義人民共和国のシナリオに挑戦するということで、どんなもんかいなと興味がありました。まあ、筆者だからお付き合いということもあって観にいったわけですが、ところが、ぎっちょんちょん。これが予想以上に面白かった。
上演されたのは、「バスケ選手」「熱き心に」「澄んだ水」の3作品。「バスケ選手」は1997年の作、「熱き心に」は1985年に発表されたもの、「澄んだ水」は2006年に発表されたもので、1番目と3番目は日本語に翻訳したものを、2番目は朝鮮語のシナリオをそのまま上演しました。
どれも、現代の朝鮮の人たちの生活を実感をもって見せてくれ、笑いあり、涙あり、踊りありと、ちょっと吉本新喜劇ぽく、非常に盛りだくさんの作品でした。特に3つめの「澄んだ水」は、河の汚染問題をテーマにしていて、平壌を流れる普通江に工場から汚水が流れ込んだことでてんやわんやするという話です。朝鮮が環境保護に力を注いでいることがよくわかり、興味深い内容でした。
日本では、朝鮮を揶揄し歪曲する報道がほとんどで、朝鮮に対する誤ったイメージが一人歩きしていますが、今回の公演はそれを正してくれるものだったと思います。「現代朝鮮演劇シリーズVol.1」とうたっているので、「Vol.2」「Vol.3」…を期待したいと思います。今回、見逃した人はぜひ次の機会に。
アランサムセの普段の公演も面白いですよ。(k)