あなたの仕事はなんですか?
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昨日刷りあがった最新号の「イオ」の特集は、いろんな仕事に就く在日コリアンの紹介だ。巻頭は専門学校理事長とスイーツで起業した女性社長。
ひとつ上の私たちの親世代は、いくら学歴を積んでも一般企業は門前払いの時代だった。自分の才能や重ねてきた努力がどれほどのものか。実力を試せず、チャンスすら与えられずに涙を飲んだ人たちは数知れない…。だからこそ、反骨精神が磨き上げられ、次代への期待も膨らんだのだと思う。
今や大手企業に勤めるコリアンは増え、朝鮮名で活躍する歌手や俳優も珍しいものではなくなった。ここ30年ほどで職業選択の幅は広がり、新たなステージに入ったと感じる。
今回紹介した方々は、同じ仕事を10年以上続けている人を念頭に置いて協力いただいた。取材しながら感じたことは、マイノリティの強さとユニークさを磨きあげる時代に入ったということ。どこに勤めているというより、どのような仕事をするのか、という点で実力が試される時代に差し掛かったというか。話を聞きながら、知らず知らずの間に相手の思いや夢に自分を重ねていたのは取材対象が同世代だったことも大きかった。登場してくれた人の多くが朝鮮名で働いていたことにも勇気付けられた。
今でも編集部には、民族学校を卒業した後、どんな活躍をしているかを紹介してほしいという声が定期的に寄せられる。この声はまだ就職差別が残っていることや、将来への不安の裏返しかも知れない。けれど、着実に何かが前に進んでいる―。そんなことを予感させる出会いの連続でした。詳細は2月号で。(瑛)