「ヒロシマ・ピョンヤン」を観てきました− 柳美里
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伊藤孝司さんの初監督作品「ヒロシマ・ピョンヤン」を観てきました。補償や治療など日本政府からの援護措置を受けられない「在朝被爆者」を描いたドキュメンタリーです。
伊藤監督は、三歳で被爆し、十五歳のときに父母弟妹から離れて単身帰国して、現在も平壌で暮らす李桂先さんと、万景峰号の往来が途絶えたために広島で娘の健康を案じるしかない老母の姿に焦点を絞っています。
リュウ・ミリ●作家
1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「ファミリー・シークレット」がある。