「小さなハッキョ」の特性、プラスに転換/おいでよウリハッキョvol.12 栃木朝鮮初中級学校
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小山駅からスクールバスに乗り込み栃木朝鮮初中級学校に着くと、長い歴史を感じさせる広大な敷地と立派な校舎が迎えてくれた。在校生11人、教員5人と規模は小さいが、この地で受け継がれた民族教育の風景は今日もしっかりと残っている。創立60周年を迎えた今年、同校の未来を切り開こうと地域全体が力を振り絞っている。
△今月のハッキョ
栃木朝鮮初中級学校
歴史:祖国解放後、芳賀、足利、栃木、佐野、宇都宮をはじめ県内各地で朝鮮学園が建設。49年10月、学校閉鎖令。57年4月8日(創立記念日)に足利朝鮮初級学校開校、59年に中級部が併設され北関東朝鮮初中級学校に。同年、宇都宮朝鮮初級学校開校。北関東初中に第2校舎(60年)、第3校舎(61年)、寄宿舎(62年)が建設され、63年に「学校設置認可」獲得。66年、宇都宮初級 「学校設置認可」獲得、学校法人栃木朝鮮学園「法人認可」獲得。70年、北関東初中と宇都宮初級が統合し栃木朝鮮初中級学校が開校(現在地)。過去11回「模範学校」として表彰され、2010、11、12、16年度には「模範教員集団称号」獲得。
データ:趙昌烈校長/児童・生徒:11人/学区:栃木県
〒323-0806 栃木県小山市中久喜1518
Tel:0285-23-2361
個性ととことん向き合って
同級生や先輩・後輩がきょうだいのように過ごす栃木朝鮮初中級学校。校内にはどこか温かい空気が流れている。
近年、学校は児童・生徒数の減少という難しい現実と向き合い、対応を模索。少人数制の特性を最大限に活かした教育を実践してきた。そのひとつが、児童・生徒の得意分野を伸ばし苦手分野を克服できるよう、教員が一人ひとりの状態を把握し、それぞれに合った歩幅でサポートするというもの。また、より多くの同級生と触れ合うため、近隣の朝鮮学校と合同で授業やクラブ活動、課外活動などを定期的に実施。児童・生徒たちはさまざまな形で交流を重ねながらたくさんの友情を築いている。
△栃木初中のトライ!
栃木朝鮮初中級学校創立60周年記念行事「ウリマウムモア」
栃木朝鮮初中級学校創立60周年記念行事「ウリマウムモア」が10月22日、同校体育館で行われた。
実行委員をはじめとする同胞や日本人支援者たちは、この日を栃木初中の未来につながる大きな契機にしようと準備に奔走。当日、栃木における60年の民族教育の歴史を丁寧に振り返ると同時に、現在の同校が直面している問題を直視し、今後のあり方を模索した。