侍ジャパン
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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が優勝した。どこが優勝しようがあまり興味はなかったのだが、今大会、韓国と日本が対戦したのは5度にもなる(そのうち3試合は勝敗にあまり意味がない消化試合のようなものだった)。日本は9試合行ったが、韓国(5試合)、キューバ(2試合)、中国、米国の4チームとしか対戦していない。大会のシステムが無茶苦茶だからこういうことになる。
結局、今回のWBCは、米国のプロデュースのもと韓日の5番勝負を大仕掛けでやっただけ、という感じである。しかし、韓国と5試合もやり、韓国を倒して優勝したからこそ、日本社会はこれほど大きく盛り上がったのであろう。
今回の日本チームの愛称は「侍ジャパン」だった。ある新聞には次のように書かれていた。「日本チームの愛称は『侍ジャパン』。人口の7%しかいなかった支配階級がまた呼び出される。昔の暴力団員をありがたがる風潮は変わらない。そこからは、犠牲を強いる空気が生まれもする」。「侍」が優勝してからの、マスコミをはじめとする日本社会のはしゃぎぶりを見ていると、いいかげんにしておいたらという気になってくる。
話は変わるが、日曜日の朝に長らく「戦隊シリーズ」という子ども番組を放送している。「ゴレンジャー」が最初で、1年間同じシリーズが続く。年ごとに戦隊のテーマが決まっていて、刑事だったり魔法使いだったり土建屋だったりする。何年も見ていると、年ごとに出来不出来の差が目に付いてくる(好みの問題でもあるが)。
前回の「炎神戦隊ゴーオンジャー」は個人的には最悪だった。戦隊のテーマが自動車。自動車の戦隊が環境を破壊する敵をやっつけるという設定自体が無理があった。内容も面白くなかったうえに、昨今のエコブームのなか、環境を破壊している自動車産業が子ども相手に必死にイメージアップを図ろうという姑息さが許せなかった。
現在放送している「シンケンジャー」は、個人的になかなか面白く見ている。しかしこれが「侍戦隊」。主人公の赤が殿様、その他の青、緑、黄、ピンクが家来という設定になっている。青や黄が「殿、殿」を連発する。今は反発している緑もいずれ殿を慕うようになるはずだ。政治不信が蔓延するなか、お上に従順になるように、子どものころから刷り込もうというのだろう。(k)
侍というより
最近のイチローは侍というよりチェホンマンに近い気がしますが、どうでしょう?