妙香山へ(祖国訪問記8)
広告
平壌にしばらく滞在したあと、妙香山へ旅行に行くことにした。妙香山は平壌から約140キロメートルほど。高速道路が通っているので2時間弱あれば充分に到着できる。高速道路と言っても、日本とは違い、人も歩けば、たまにはウシさんも歩く。前回紹介したクムガン菊が高速道路沿いにたくさん咲いていた。車窓から眺める祖国の青々とした山河を眺める。今ごろイオ編集部は8月号の編集のラストスパートで、みんな夜遅くまで仕事をしているのに、という良心の呵責を感じる、ことなく、ウキウキとした気分で妙香山へ到着した。
まずは国際親善展覧館を参観。ここを訪れるのは実に25年ぶりだ。いわずとしれた金日成主席と金正日総書記に世界各国から贈られた贈り物が展示されているところである。展示物が当然のことながら増えており、昨年末現在で、22万3579点が展示されているという。また、金正日総書記への贈り物を展示する館があり、これは96年に建てられたもので、今回初めて参観することとなった。スターリン、毛沢東という昔から、カーター、ミッテラン、プーチンと、贈った国家元首の時代がどんどん新しくなっていく。また、2000年以降は南朝鮮からの贈り物がどっと増えているのが印象的だ。
次は普賢寺へ。高麗時代のお寺で、中心となる大雄殿は1042年に建てられたものだ。八万大蔵経も保管されている。ここにも25年まえに来ており、説明も聞いたはずだが、当時はほとんど何も理解していなかったことであろう。今回はいろいろと予習をしていったので、そのありがたみがよくわかった。
2時ごろから、登山コースのひとつである毘盧峰ルートの下毘盧庵へ行く。しかし、登山道路を大工事中で工事現場の中を縫うように進まなければいけない。2.3キロメートル登って下毘盧庵に到着するが、ここも改装工事中であった。仕方がないので、さらに600メートルほどを登り、二仙男の滝へ行く。滝が2つに分かれて落ちるので二仙男の滝と呼ぶ。滝の近くまで行くことができるので、水しぶきがすごい。マイナスイオンをいっぱいに浴びる。
いま行っている工事は4月から始まり10月10日には完成させるそうだ。完成すると、二仙男の滝まで自動車で来ることができるそうだ。山道を3キロも車が通れる道路を作っているのである。けっこう大規模な工事で、多くの人たちが一生懸命働いていた。建築資材も豊富にあった。山の中も150日戦闘真っ只中である。道路が完成する紅葉の季節に、また来ようと思った。(k)