インターナショナル(祖国訪問記12)
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今年の7月8日は金日成主席が逝去されて15周年にあたる。この日、祖国ではそれにちなんだ行事が執り行われた。
朝5時半に金日成主席の銅像がある万寿台の丘に行く。早朝にも関わらず、多くの人が訪れ銅像に花束を捧げていた。道路や公園をきれいに掃除する人も多い。写真は7月8日当日、早朝の万寿台から眺めた平壌市内である。
午前9時から、金正日総書記の参席のもと、平壌体育館で逝去15周年中央追悼集会が開かれる。驚かされたのが、集会の最後をしめる曲として「インターナショナル」が演奏されたことだ。これが平壌支局内でちょとした波紋を呼んだ。10周年の追悼集会では「金日成将軍の歌」が演奏された。共和国政府が行うことにはすべて意味がある。なぜ「インターナショナル」をあえて演奏したのか。
一般論で言えば、共和国がこれからも社会主義を守るだけでなく、世界革命の先頭に立ちふたたび世界中に社会主義を復活させるのだという決意の表れだということであろう、と筆者が見解をのべると、平壌支局長は、最近の共和国をとりまく国際情勢を分析しながらさらに突っ込んだ見解を披露した。
横で聞いていた若い呉記者は、「インターナショナル」という曲自体を知らなかった。時代と世代はどんどん代わっていくのだ(昔は日本の労働者もよく歌っていたのに)。世代が代わっても絶対に変えないものがあるのだという共和国の決意を現在の情勢のなかで世界に向かって強く発信したのが、今回の「インターナショナル」の演奏なのではないか。
午後4時からは東平壌大劇場で逝去15周年の回顧音楽会が催された。70年代以前の朝鮮の歌が何よりも好きな筆者にとって、たまらない公演であった。久しぶりに聞く大合唱。次々に披露される懐かしい歌の数々。涙が出るほど至福の時間を過ごすことができた。(k)