イオの読まれ方
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月刊「イオ」は毎月中旬に印刷され、日本各地の同胞や日本の方々に配られます。
(写真は7月号の表紙です。)
私は6年前に「イオ」編集部に異動になって、初めて雑誌作りを経験しました。
人と会ったり、調べものをすることは好きなのですが、今でもどんなテーマを題材に、どんな切り口で読者に提供するのか、は悩みつづけています。
ネット時代の紙媒体については、もう時代遅れだ、という議論がありますね。 もちろん、爆発的な威力を持つネットの力は否定しません。 しかし、毎月編集部に送られてくる読者カードを見ると、雑誌も捨てたもんじゃないなぁ、という気がしています。
同胞数の少ない地方にお住まいの方から、「イオ」は各地を同胞の消息を知る手段になっている、という話を聞きます。「イオ」を通じて知り合いを探すのが楽しみだ、という人も。
「イオ」は30、40代の方々をターゲットにしていますが、実際の読者層は年齢が一桁の小学生から70、80歳の方にまで及びます。創刊当初から人気の「まちがえさがし」の答えを届けてくれる小学生の中には「もっと子どもが楽しめる企画をしてください」というお叱りの言葉もあり、孫の結婚といった悩みを綴る高齢の同胞女性たちの便りも寄せられます。「イオ」のまわりには世代を超えた読者の目が光っている、ということに気付かされます。
また、自身は購読していないけれど、実家に行って1年分をまとめて読む、という話には一家団欒の暮らしの場に「イオ」が置かれている光景が目に浮かびます。
「イオ」は専門誌ではなく、文化、スポーツ、経済、政治と幅広い問題を扱う総合誌なので、特集によっては興味が沸かない、という方もいらっしゃると思います。さらに、政治問題について、編集部の切り口の甘さを厳しく指摘されることも多々あります。
編集部に届けられる読者の「声」は、雑誌をよくする一番の薬ですね。(瑛)