2009在日朝鮮人歴史・人権週間
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「2009在日朝鮮人歴史・人権週間」が7月17日から日本各地で開幕しました。
日本人と在日朝鮮人がともに在日朝鮮人の過去の歴史を知り、現在の人権状況を考えることを目的に始まった「在日朝鮮人歴史・人権週間」も今年で3年目を迎えました。
東日本集会が先々週末、神奈川県・横須賀で行われ、私もはじめて参加してきました。
横須賀は、かつて日帝の軍の中枢として重要な施設が多かったため、あらゆる山に地下壕がはりめぐらされていたといいます。
そこで過酷な労働を強いられていた人たちの中には、強制連行されてきた朝鮮人たちも多くいました。とくに日本の戦局がきびしさを増して、労働力不足が深刻になるにつれて、より多くの朝鮮人たちが地下壕の建設に狩り出されました。
その日の集会では、当時強制労働をさせられていた、朴四甲さん(83)が登壇されて、経験を語ってくださいました。
半ば騙される形で連れてこられ、重労働をさせられた朴さん。
しかし何よりも辛かったのは、ひもじい思いをすることだったといいます。
雑穀、キムチ、おつゆ(塩水のことだそうです)だけの粗末な食事で、過半数の労働者たちは、栄養失調の初期にまで達していたそうです。
そして玉音放送を聴きながら迎えた終戦、解放。
5歳の時日本に渡り、日本の軍国少年として育った朴さんでしたが、朝鮮人が朝鮮の国旗をつくって「朝鮮独立万歳!」とわきあがる姿を目にしながら、
「俺も朝鮮人なんだ」という喜びをかみしめたそうです。
集会の合間に朴さんとお話をさせていただいたのですが、
「水が飲みたい」と言いながら差し出されたジュースを飲み、
「あー。世の中にこんなにおいしいものがあるんだねー!」と一息つかれていました。
暗闇の中での作業、そして食べるものも食べられずに極限の体験をされた朴さんの一言ゆえに、余計においしそうに見えました。
朴さんのような方たちの体験や思いを、私のような在日3世、4世たちの心の中にも、
しっかりと、大切に保存していかなければならないと思います。(里)