プエブロ号(祖国訪問記25)
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今回の祖国訪問でぜひ行きたいと思っていたところのひとつがプエブロ号である(行きたいところが多かった)。プエブロ号は米国の武装スパイ船で、1968年1月、元山沖、朝鮮の領海に侵入しスパイ活動を行っていたところを、朝鮮人民軍に拿捕された。
プエブロ号は現在、大同江に展示されている。その場所は、1866年9月に米国の侵略船、シャーマン号を人々が撃沈したところである。同じところにプエブロ号を展示するという粋なところがいい。朝鮮戦争に勝利した記念日の7月27日が間近にせまっていることもあり、プエブロ号には本当に多くの人が見学に訪れていた。当時、拿捕に直接参加した人が講師として人々に当時のリアルな話を披露していた。
船内の食堂だったところで、プエブロ号事件とはどのような事件だったのかをまとめたビデオを見る。プエブロ号には83人の米兵が乗っていたこと、それに対し人民軍はたったの7人だったこと、拿捕された米兵が朝鮮で外国人記者の前で記者会見を行ったことなど、これまで知らなかったことを知ることができた。元山に停泊していたプエブロ号をどうやって大同江まで運んできたのかも聞いた。
米国はプエブロ号を取り戻そうと武力的な圧力をかけたが、朝鮮は、武力には武力で、全面戦争には全面戦争で対応すると毅然とした態度を貫き通した。結局、米国は全面的に謝罪するしかなかった。後でプエブロ号事件のことを知ったとき、祖国のことを格好いいなと思ったものである。祖国のその毅然とした態度は40年がたった今も変わっていない。
船内には当時の銃撃戦の跡も残っている。スパイ活動のための機器がたくさん置かれている場所もあった。自分の目で実物を見るとやはり違う。プエブロ号の前には、これまた米国がスパイ活動を行った無人潜水艇が展示されていた。(k)