温泉・サウナ(祖国訪問記・番外編4)
広告
今回、祖国のあちこちを旅し、新たな発見だったのは、温泉がけっこうあるということだ。日本で温泉というと多くが娯楽施設であるが、祖国の場合、医療施設という意味合いが強い。診療所が併設されているところが多く、診察室のなかに浴槽があるという場合もある。
今回訪れた温泉は、両江道普天郡にある内曲(ネゴク)温泉と、咸鏡北道鏡城郡にある温堡(オンポ)温泉の二つ。内曲温泉は、ひとつの建物のなかに大小8つほどの部屋があり、大小さまざまな湯船が設置されている。診療施設もあった。もちろん温泉だけを楽しみたいという人も訪れていた。ここは見学だけ。
温堡温泉は祖国でも有数の温泉で、歴史も古く規模も大きい。外国人客専用の建物もあり、そこに入らしてもらった。部屋に入るとまず休憩室があり、ベッドも置いてある。そこで服を脱ぎ浴室に入る。温泉の温度は45℃だと言っていたが、入ってみるとそれほど高温だという感じはしなかった。しかし、下半身しか浸かっていないのに3分も経たないうちに汗がじわじわと出てくる。20分ほど入っていたが、出た後も汗が引かずに、30分は扇風機の前で風に当たっていた。これほど身体の芯から温まるという体験は初めてだった。そのとき飲んだビールの美味かったこと。平壌から遠いが、ぜひ訪れてほしい。
宿泊した平壌ホテルはもちろん、主要なホテルにはサウナがある。祖国滞在中、2度サウナに行った。作りは日本のサウナと変わらない。温度も、温度計を見る限り変わらないのだが、なぜか高く感じる。しかし、汗はあまり出ない。平壌全体が東京よりも大陸性の気候でカラッとしているからだろうか? 女性の呉記者は、市民たちがサウナのなかでしゃべる内容を聞いているといろいろと情報収集になると言っていたが、日本でもそうだが、サウナのなかで男性はムスッとしてほとんどしゃべらない。サウナに行くなら、休みの日はけっこう混むので平日がねらい目だ。
写真は温堡温泉。「逆さクラゲ」のマークが祖国でも使われているとは知らなかった。(k)