ジャガイモ畑(祖国訪問記・番外編7)
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咸鏡北道の清津市から両江道の大紅湍へと向かう。車での移動だ。ここを陸路で進むのは初めてである。清津市から大紅湍というと非常に遠いという先入観があり、車で行くという発想はなかったのだが、雨のなかを3時間で到着することができた。実際に移動してみないと本当の距離感というのはわからない。在日同胞が白頭山へ観光に行くとき、飛行機を使うが、日程に余裕があれば、陸路での旅行をお勧めしたい。それだけ祖国の現実を目にすることができる(途中で七宝山にも寄れます)。
咸鏡北道ではトウモロコシ畑や田んぼが広がるのに、両江道に入ると、とたんにジャガイモ畑になる。北海道のジャガイモ畑を見たことがないので比較できないが、両江道のジャガイモ畑はそうとう広い。ちょうどその季節なのだろう、一面に白い花を咲かせている。ジャガイモの花を見たのは初めてだ。
案内のリさんが写真を撮ろうというので車を止める。たまたま止まったところが、ソドゥ里のソドゥ農場第5作業場の前だった。ものすごく広い。働いている人に話を聞くと15町歩(約15万平方メートル)だという。ラヤ、大紅湍2号といった品種が植えられており、1町歩当たりラヤは60トン、その他は40トン収穫すると教えてくれた。収穫はまだ先のようである。同じような規模のジャガイモ畑が数え切れないほどある。
大紅湍をはじめとする祖国のジャガイモ栽培に、在日同胞も大きく貢献している。優良品種を導入し試験栽培を続けるなど地道な努力を続けている。
大紅湍、三池淵、恵山と3日間、両江道に滞在したが、宿泊所で毎食出たジャガイモのスープが本当に美味しかった。食べたジャガイモのなかに在日同胞によって品種改良されたものが入っていたかもしれない。(k)