図書館
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5歳の息子とたまに図書館に出かけるようになった。
最近彼は黙読もできるようになり、物語やシリーズものも楽しんでいる。どういうお話だったかを興奮気味に伝えてくれることもあるし、親の弱点をユーモラスにフォローしてくれるなど、意外な表現や関心が見えてきて会話が益々楽しくなってきた。
図書館の児童書コーナーは過去に比べてスペースが増え、充実しているように思う。あれだけの量を前にすると、幼い子でも当然、借りたい本がたくさん出てくるようだ。「何冊借りれるの」と私に気兼ねするので、カードを作ってあげることにした。聞いたところ、カードは0歳から作れるとのこと。10冊まで借りられると聞いた彼は、ピーターラビットシリーズを5冊と他に数冊を借りてウキウキしていた。
そして家に着いた途端、借りてきた本を読み始めた。隣で旅行雑誌をパラパラめくっていた私は、子どもって知らない間に成長するってホントだなと感じながらも、「あー読み聞かせの時期はあっという間に過ぎてしまうんだ」と一人しんみりしていた。すると、「オンマ、黒いサルがどこにいるか探してごらん」と誘ってきた。私は読み聞かせる方から、とたんに読んでもらう側になってしまったようだ。
幼い頃のわが家は、休日にどこかへ出かけるわけもなく、日曜日は図書館、という具合にコースが決まっていた。父母ときょうだいの誰かしら複数で出かける。入口で分かれた各々はお気に入りの5冊を借りた順から、各々が好きそうな本棚に、まだ何を借りようか迷っている家族たちを探しにいくのだ―。
30年前の光景を思い出しながら、彼の好奇心の行方がひとつの楽しみになってきた(瑛)。