運動会
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先日、息子が通う朝鮮学校の運動会がありました。いろいろと情勢が不穏になってきていますが、運動会は運動会としてやらなければいけません。
前に朝鮮学校の授業参観が日本学校とどのように違うのかについて書きましたが、今日は運動会編です。
運動会も朝鮮学校と日本学校ではそうとう違っています。特に小学校はその違いが大きいのではないでしょうか。運動会をやる目的からして、日本学校は純粋に教育の一環として行いますが、朝鮮学校は地域の同胞のために行うという感じです。
運動会が始まる1時間半ほど前に会場の東京朝鮮中高級学校に到着しました。息子が通う朝鮮学校は運動場が狭いので、東京朝高でやるんです。行くと「ここはキャンプ場か!?」と思うほど、テントが林立しています。保護者が持ち込むんですね。ベストポジションを確保するために朝早くから場所取りが始まります。行ったときにはすでに、トラック周りはすでにテントやシートで埋まっていました。
ちょっと後ろにシートや椅子を設置し、食べ物を広げると、早々にお酒を飲み始めました。お酒は各家庭が準備するのはもちろん、売店も出て、お酒を売っています。運動会を見に来ているのか、酒を飲みに来ているのかわからないという感じです。子どもがまだ低学年の親や卒業する6年生の親は比較的熱心に競技を見ますが、うちの子は中途半端なので、適当に応援してたんですね。開会式が始まったときには缶ビールを1本空けていました。
各家庭が準備するお弁当もすごくて、それぞれが食べる分の2倍ほど持ってくるので、大変な量になります。同胞たちが運動会をアテに宴会を開いているとも言えます。子どもたち慣れたもので、純粋に競技に打ち込むというよりは、「同胞たちにお見せする」というサービス精神にあふれています。
100メートル走のようなオーソドックスな競技もありますが、朝鮮学校の運動会は、やたらと保護者らが参加する競技が多い。半分以上がそんな競技です。祖父母が参加するもの、学校にあがる前の幼児が参加するもの、卒業生が参加するもの、地域対抗のリレー、アボジ対オモニの綱引き…など本当にいっぱいあります。だから、そうガブガブとお酒を飲んでるわけにもいきません。ちなみに、アボジ対オモニの綱引きは、不思議と必ずオモニ側が勝つようになっています。
こうやって、お酒を飲み競技に参加しながら、同胞たちは、これからの地域同胞社会のことや組織のこと、朝鮮半島情勢や日本の政治のことなどを、あれやこれやと話をするのでした。(k)