北海道で考えたこと
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みなさん、猛暑の続くなか、いかがお過ごしですか?
私は、といえば、先週土日にかけて北海道に行っていました。札幌で行われた青商会第14期総会とウリ民族フォーラムの取材です。
民族フォーラムが北海道で開かれるのは1996年の第1回以来のことです。詳細はイオ10月号をご覧になってほしいのですが、参加しながら思ったことをいくつか書きたいと思います。
フォーラム第2部のシンポジウムにコメンテーターとして出演した朝鮮大学校文学歴史学部の李柄輝准教授が、「韓国強制併合」100年を迎える2010年に北海道でフォーラムが行われる意義について、次のように話していました。
「強制連行の死亡率が最も高かったのが北海道地方だと言われています。北海道の同胞社会はこのような苦難の歴史の上に成り立っているのではないでしょうか。今回、100年という節目の年に北海道でフォーラムが開催される意味を深く考えさせられました」。
私の母方の祖父も解放前、北海道の美唄炭鉱で働かされていました。私は小学校から高校生の頃まで毎年夏になると函館に住む祖父母の家に遊びに行っていました。その後は足が遠のき、祖父が1995年に死去した後、祖母も2001年に朝鮮に帰国して翌年亡くなりました。生前、もっと昔の話を聞いておけばよかったという思いが今でも消えません。
北海道青商会では1世から受け継がれてきた地域同胞の歴史を次の世代にもしっかりと伝えていこうという目的から「北海道同胞歴史資料館」の設立を進めています。今回のフォーラムではその取り組みが大きくアピールされました。このような取り組みが北海道のみならず、全国に広がってほしい。北海道青商会のメンバーはそう話していました。
今回、北海道が行ったさまざまな提案はフォーラムのテーマとして掲げられたように、時代と時代、世代と世代、地域と地域をつなぐ「バトン」となるものでした。
15年ぶりに訪れた北海道。1泊2日の滞在でしたが、民族フォーラムの取材とあいまって、いろいろと考えさせられる旅となりました。(相)