豊田直巳写真展「枝川朝鮮学校物語」
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今年「イオ」で始まった新連載「世界の顔」は、私自身も楽しみしている企画です。この連載では、世界が狭くなったと言われる今日でも、私たちがなかなか気づくことができない、この地球の民族問題や紛争地帯に暮らす人々の表情を大きな写真を使って届けています。
ファインダーを向けるのは、フォトジャーナリストの豊田直巳さん。豊田さんが塾講師からこの道に入ったきっかけは1982年のレバノン戦争だったといいます。「核兵器廃絶を訴える署名運動が世界的に盛り上がるも、テレビをつけると血まみれになる人々の姿が流れていた…」。「守るべき平和」がある日本人と、今殺されつつある人々が同じ世界にいるという「現実の落差」を感じたといいます。
豊田さんから毎月送られてくる写真を見た瞬間、胸が高鳴り、ものによっては心臓が締め付けられるような感覚にとらわれます。
世界で増え続ける紛争や貧困問題を解決するためには、まず「感じてもらう」ことが第一歩――。いつか、豊田さんがこう話してくれたことがありますが、記事を書いたり、写真を撮りながらこの言葉を何度も思い返しています。「戦争の勝者になるのは、戦争の遂行者だけ。なぜ戦争のつけを庶民が負わなければならないのか」―。この思いを胸に、命を張って世界の紛争地に向かい、写真を撮り続けている勇気あるジャーナリストです。
朝鮮学校にもたびたび足を運び、子どもたちの表情を撮られています。
今週15日から、現在新校舎建設中の東京朝鮮第2初級学校の子どもたちを追った写真展が学校最寄りの豊洲文化センターで開かれます。以下に豊田さん関連の写真展情報を記しますので、みなさん、ぜひ足を運んでみてください。(瑛)
●豊田直巳写真展「枝川朝鮮学校物語」
「幻の東京オリンピック」から70年。その準備過程で江東区・枝川の都立の「ごみ捨て場」に移り住まされた在日朝鮮人たちがいた。今、その孫やひ孫たちが通う「ウリ ハッキョ」東京朝鮮第2初級学校。私たちの隣人の彼、彼女の学校生活から何かが見えてくる。
日時:10月15日(金)~21日(木)
会場:豊洲文化センター 1階ロビー(地下鉄有楽町線豊洲駅徒歩3分)
●豊田直巳 スライド・トーク「私が出会った世界の子どもたち、枝川の子どもたち」
日時:10月17日(日)12時半~13時半(14時よりパギやんコンサート)
会場:東京朝鮮第2初級学校(江東区枝川1-11-26 )※無料
※パギヤン、焼肉コンサートが同校校庭(雨天講堂)で14時から開催(チケット2000円~。主催:枝川朝鮮学校新校舎建設支援コンサート実行委員会
●豊田直巳写真展「イラク戦争と劣化ウラン 今も続く被曝者の苦しみ」
この秋、国連総会では劣化ウラン問題を巡って新たな決議がなされようとしています。しかし政権交代後も、「唯一の被爆国」の日本は、この問題の解決に向けて極めて消極的です。その日本が「様子を見る」間に、イラクの子どもたちのヒバクシャが増えていきます。
日時:10月17日(日)~31日(日)
会場:港区男女平等参画センター(リーブラ)3階(JR田町駅徒歩3分)