形見やと思って
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急激に下がる気温は、前からとても億劫であった「衣替え」を決心せざるをえない状況になった。
以前、こたつを買おうかと悩んでいるという記事を載せたことがある。
(結局買わずに、暖房だけで去年の冬は凌いだ。)
「そろそろこたつ送ろうか」というオモニからの一通のメール。
こたつか…
もうそんな季節なのだね。
オモニが言う「こたつ」とは長年、ハルベ、ハンメと私たちを暖めてきたこたつである。
そのメールを見て、今年の2月に亡くなったハンメを思い出したのと同時に、もうそんなに経ったのかと思った。
大阪のオモニの実家に遊びに行くときも、いつもハルベとハンメの部屋に入り浸っていたのを思い出す。
この部屋が一番落ち着けるとソンジャ3人、こたつに入ってハンメと一緒にテレビを見たり、夕方まで眠ったりしていた。
ハルベは、いつも簡易用のイスを家の前に置き、そこに座って煙草を一服、流れ行く人や車をぼーっと見ていた。
時々そこにオモニがやってきて、ハルベの顔の毛穴の汚れを取ってあげていて、ティッシュの中は真っ黒い毛穴の汚れがあった。
オモニはそれを「埃」と言っていたのだが、今思えばあれは煙草のヤニだったのだろう。
ハルベが先にこの世を去ってからも、ハンメはこのこたつをずっと使い続けてきた。
そのハンメが亡くなってから使い道をなくしてしまっていたこたつは、今年の冬、ソンジャである私のところにやって来る。
「ハンメの形見やと思って」
そう言ったオモニの言葉が印象的だった。(麗)
大阪のかただったんですね。
はじめまして大阪のオンニョと言います。第4初級学校で学童の指導員しています。麗さんは大阪出身の方だったのですね。ハラボジ、ハルモニ想う人に悪い人はいないと云うけれど貴女の文を読んでほのぼのしたものを感じました。私にも初級学校3年生を頭に5人の孫がいますがこの子たちが大きくなったら貴女のようにハルベ、ハンメを記憶してくれるでしょうか?