橋下知事のツイートにげんなり
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もういい加減、同じことを繰り返したくないが、それでも書かずにはいられない。
大阪府の橋下徹知事が大阪朝鮮高級学校に対して2011年度の補助金を支給しない方針を明らかにした。補助金支給問題と関連して、橋下知事が9日にツイッター上でつぶやいた内容が物議を醸し出している。1時間20分にわたって、約30件のツイート。ツイッターをやっていない人でも簡単に見ることができるので確認してほしいのだが、その内容がひどい。読んでいて頭がくらくらする。個人に対してこんなに腹が立ったのは久しぶりだ。
以下に、ツイートの一部を引用。
「日本人拉致問題、隣国である北朝鮮の現在の振る舞いを考えると、日本と北朝鮮の歴史的な経緯を踏まえてもなお大阪府民の多くは、朝鮮学校への補助金支出には納得できない」
「今の大阪府の状況だと、このまま朝鮮学校に補助金を支出する方が学校にとっても不幸。だって大阪府民は腹の中では朝鮮学校に不満を持ち続けるから。こういう洞察抜きに、目の前の金の話だけにとらわれて、子どもがかわいそう!ってほんと無責任極まりない」
「多くの住民が補助金支給に納得していなければ、不満を抱いていれば、日本と朝鮮学校の共生は成り立たない。腹の中で不信感をお互いに抱く最悪の状態。こういう状態を解決するのが政治だと思う。僕が作ったルールに従ってくれれば大阪府民の多くは補助金支給に納得してくれるはず。これで初めて共生となる」
「僕は在日朝鮮人が多く住む大阪を預かる立場で、在日と日本人の共生を現実に実現しなくちゃならない。全員賛成の結論なんてあり得ない。そんな中で、朝鮮学校と北朝鮮国家の切り離しを断行した」
「学校が北朝鮮国家と完全に決別すれば、在日朝鮮人の子供も、大阪府民としてきちんと税のサポートをする」
「大阪府は在日朝鮮人の子供たちが希望すれば、入試にパスすることを前提に府立の高校、私立の高校へ入学できるよう用意している。私学助成は公金投入政策。ゆえにルールがある。そのルールに従わなくても学校経営はできる。公金を受けられないだけ。それは学校の判断。そして生徒、保護者の選択」
歴史的経緯の無視、人権意識の欠落、公権力による教育への介入、自らの偏見を棚に上げて今回の決定を「府民の意思」に収束させる狡猾さ。「共生」という言葉がこんなに空虚に感じたのは初めてだ。突っ込みどころ満載の彼のつぶやきに対する批判は数多く出ているので、あえて多くを書かない。それにしても、この一連のツイートはのちのちの資料になるから、永久保存版として取っておいた方がいい。こんなゴリゴリのレイシストでポピュリストが多数の府民の支持を得て知事の座にいることに恐ろしさを感じる。
憂慮すべきなのは、今後、こうした「橋下モデル」がほかの自治体に広まり、無償化や朝鮮学校への補助金のみならず、ほかの問題に関しても標準になっていくこと。
朝鮮民主主義人民共和国との関係を絶ち、総聯と一線を画すと誓うなら補助金を支給してやる、とは何と傲慢な物言いなのか。今まで何度もブログで書いているが、「金が欲しかったら言うことを聞け」的なマジョリティの傲慢さにはほとほとうんざりする。
そもそも、国の統治者の肖像画を掲げてたら何だというのだ。特定の国や団体と関係を持っていたり、そこから支援を受けていることがそんなにいけないことなのか。教育内容すらも踏み越えて、特定の国、民族団体との関係を持つなと自治体の長が恫喝する、こんな暴挙が許されるのか。肖像画云々もあくまでも当事者が主体的に決めることだろう。肖像画がなぜ補助金支給の要件に関わるのか、皆目理解不能だ。誰か納得できる説明をしてください。
だから彼の論理の土俵に乗って、肖像画の是非を論じたり、外す外さないの議論を始める必要もないし、そうしてはいけないと思う。だって完全なる言いがかりなんだから。マジョリティのご機嫌をとることで一時的に利益を得たとしても、長期的に見れば、そのつけはより大きな形で払わされることになる。一度譲歩すれば際限なく譲歩を求められるのは歴史が証明している。
「高校無償化」適用が年度をまたぐことが確実になり、運動に取り組んでいる人々も一向に改善しない状況に対して徒労感に襲われることがあるかもしれない。それでも私たちは愚直に声を上げて、正論を表明し続けるべきだと思う。この問題に関してはもっと原理主義的になってもいいのではないか。(相)
もうね
〉大阪府は在日朝鮮人の子供たちが希望すれば、入試にパスすることを前提に府立の高校、私立の高校へ入学できるよう用意している。
はい、そうですね。
そんなのもう半世紀以上前から日本全国同じ対応策取ってますね。
別に鬼の首を取ったように自慢するほどのことじゃありません。
(入試にパスとか当たり前でしょ。誰が無試験入学をとか恥知らずな要求をするものですか)
問題は、あなた方の「温情」で入学させていただいた
在日の高校生たちのうち少なからぬ数が、
その学校で有形無形の差別に泣いた歴史があるということです。
あなた、そこまで考えてモノ言ってないでしょ?
ねえハシモッちゃん。