雲隠れする「二次災害」
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現在イオ編集部は5月号の締め切り直前で、絶賛校正中です。
みんなすばらしい集中力です。仕事の鬼と化しています。
イオ5月号は東日本大震災の特集です。今回すべての特集や連載枠を使って震災関連情報をお伝えします。
次々と出来上がっていく記事を読み読み、改めて甚大な被害を目の当たりにし張り裂けそうな胸の痛みを抑えることができません。だけど被災者の方々が直面している現実に、自身も「伝える者」として真摯に、そして絶えず向き合っていきたいと思います。
震災被害もさることながら、非常事態により雲隠れしている諸問題も同じく関心事です。
日本政府による朝鮮に対する経済制裁は再度延長されました。今回で7度目です。
航路を断たれ、空路での訪朝が困難な高齢同胞たちが再び祖国の山川を見られる日はくるのでしょうか。
「高校無償化」制度は今年度も朝鮮学校のみを除外したまま施行されました。
朝鮮学校生徒らは今年もまた同じ夏を、冬を、繰り返すのでしょうか。
こうして非常識は常識に、不当は真っ当に、有罪は無罪となっていくのかと行く先を憂いてなりません。
「歴史は繰り返す」今この言葉を痛感しています。
在日朝鮮人問題に限らず、社会や言論の目が震災に集中する中で、その影に隠れて煩わしいものを置き去りにしようとする社会の風潮は、日本でしか起こり得ない「二次災害」とも言えるのではないでしょうか。
すでに当ブログでも書かれていましたが、宮城県では朝鮮学校に対する補助金を交付しないことを決定しました。
厳しい避難生活のさなかでも排斥主義を振りかざす県当局に、どれだけ朝鮮人を惨めにしたら気が済むのかとほとほと疲れてしまいますが、それでも。
「民族を問わず、命を救いたい」
垣根を越え手を取り合う被災者の方々の良心にならい、今こそ愚直に声を上げていかなければと思うのです。
不安材料だらけの今日を見つめ直し歴史の再生産を食い止め、未来を手繰り寄せるのは、つなぎあった手であると、固く信じているからです。
ご挨拶が遅れました。今週からイオ編集部に配属された(淑)です。
まだほんの数日ですが、一愛読者であった自分が、今はイオの誌面作りに微力ながら携わることができうれしく楽しい日々です。
1年生記者ですが、社会人としては5年生です。これまでの社会生活で培った経験を生かし、また、感謝の気持ちを忘れず、ぶれることなく確固たる視点で発信していきたいと思っています。
読者のみなさまには月刊イオ、日刊イオとともに末永くご愛顧いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。(淑)
南では損害賠償沙汰に
南では朝鮮に対する経済制裁で損害を被った企業が政府を相手に訴訟をする構えらしい。